小学館文庫<br> でんでら国〈上〉

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小学館文庫
でんでら国〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094062595
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

幕末の東北、山に捨てられた老人達が桃源郷を作っていた。年貢に苦しむ自分の故郷の為に、収穫した米を密かに供出。だが飢饉の年も年貢を納める村に、疑惑の目を向けた代官は、死罪にあたる隠田の開墾を疑う。

内容説明

時は幕末、陸奥国八戸藩と南部藩に挟まれた小さな国・外館藩西根通大平村。大平村には、六十歳になると村での役割を全て解かれ、御山参りをする習わしがあった。それは食い扶持を減らすための姥捨ての旅とも囁かれていた…。そんな大平村は、どんな厳しい飢饉の年も、きちんと年貢米を納めている。代官所は、そこに目を付け、食い扶持を減らすだけでなく、もしや「隠田」を開墾しているのではないかと疑い始める。隠田を持つことは死罪にあたる。真実を悟られまいとする農民と、それを暴こうとする代官の知恵比べが始まる。痛快!幕末老人エンターテインメント。

著者等紹介

平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年岩手県生まれ。大阪芸術大学美術科卒業後、中学の美術教師に。2000年第一回小松左京賞受賞。2014年『風の王国』で、歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chiru

123
最高に痛快な、幕末老人コンゲーム!! 飢饉でも年貢をきちんと納める大平村の謎。それを探りにくる役人。村の秘密を守るため、六十歳の善兵衛を中心とした、老人主催の痛快すぎる攻防戦がスタートした! 老人からしたら、世間知らずの子供のような役人との知恵比べは、絶妙なゆるさが笑いを誘う♪ 生き生きと目を輝かして敵との攻防を繰り広げる老人たちの可愛さに癒されてしまう! 桃源郷の住人たちと過ごすうち、微かな変化を見せる平太郎。そして、下巻で激化しそうなバトルの行方はどうなる?! ★52020/01/21

つねじろう

66
その昔陸奥国大平村では皆60歳になると御山に向かう。でんでら野はその入口。そうこの話は姨捨の話し。姥捨、棄老は何度も飢饉に襲われた東北地方の人減らしの風習。遠野物語にも出て来た気がする。そのどちらかと言えば暗い痛ましい話をこの作者は逆手に取って東北人のしぶとくたくましい不思議なユートピア物語に変えてしまう。踊りながらでんでら野に向かう主人公善兵衛の姿が謎の明るさがこの話を象徴する。狼使いの少女やら一休さん並みの寺の小坊主やら役者も揃って農民達と武士との知恵比べが始まる。あっという間に下巻へ。2017/07/11

ざるこ

63
時は幕末、陸奥国の大平村。食い扶持を減らす間引きが行われる時代。60才を迎えた善兵衛は錫杖を手に山へ向かう。姨捨か…。と、思いきや善兵衛うきうき♪小躍りするハイテンションぶり。実は山奥には爺婆だけの秘密の理想郷が!しかし代官所から隠田を疑われ…。でんでら国を守ることができるのか?もう、とんでもなくおもしろい!代官VS村人、爺婆。飄々と嘘をつく和尚、とんちの冴える小坊主などキャラも最高。知恵比べを楽しみつつも、認知症や介護、虐げられる百姓たちの想いなど人間模様もあり。名言多数。まだ秘密もありそう!下巻下巻!2019/09/23

『よ♪』

58
とっても面白いですっ!レビューは下巻で♪2019/08/18

優希

50
面白かったです。高齢になると捨てられることから重い話かと思いましたが、大平村は老人たちのユートピアと言ってもいいでしょう。下巻も読みます。2021/03/12

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