出版社内容情報
金四郎が掴んだ花魁の死の真相と切ない思い
吉原日本堤の外に広がる田んぼで、稲本屋の花魁・雛菊が刀で斬られて亡くなっていた。見つけたのは、昨夜雛菊と話を交わしていた、18才の遠山金四郎だった。金四郎は、実は旗本家の跡継ぎだったが、複雑な家族関係から遠山家を継ぐことは当分無く、家を出て歌舞伎の森田座で笛方をしていた。
金四郎は、旧知の狂歌師・大田南畝、浮世絵師の歌川国貞とともに、彼女がだれに殺されたのかを探り始める。調べを進めていくと、雛菊があるときから店に来る男たちに心中を持ちかけていたことを知る。
彼女は、なぜ心中を望むようになったのか。
金四郎は、いつしか雛菊の暗い心のうちに踏み込んでいく。そして、彼女に関わっていた男たちも、いろいろなものを抱えて生きていることに気づき、簡単には変えられない世の中の非情さと己の無力さを知るのだった。
雛菊の死を巡る謎は意外な真実が待ち受けており、全編サスペンスに溢れた優れたミステリーにもなっている。
第11回小学館文庫小説賞の受賞作。文庫化にあたり、「恋の手本となりにけり」から題名を変更し、著者が大幅に加筆しました。
【編集担当からのおすすめ情報】
この作品のきっかけとなったのは、著者の永井さんが新聞記者時代に受け取った1通のファクスだったといいます。「身元不明の変死体発見」と書かれたその事件に、とてもショックを受けたそうですが、結局記事になることもなく消えていきました。そんな人たちのことを考えた著者が、時代を江戸時代に置き換えて書き上げたのが、この作品です。
内容説明
十九歳の遠山金四郎は、前夜話を交わした吉原の花魁・雛菊が切られて亡くなっているのを発見する。旧知の狂歌師大国南畝、浮世絵誌の歌川国貞とともに、彼女の殺害の真相を探り始めると、雛菊は男たちに心中を持ちかけていたことを知る。なぜ心中を望むようになったのか―。金四郎は、いつしか雛菊の心の闇に踏み込んでいく。そして、彼女に関わった男たちもいろいろなものを抱えていることに気づき、世の中の非情さと己の無力さを知るのだった。デビュー作にして、時代ミステリーの秀作が大幅加筆で文庫化
著者等紹介
永井紗耶子[ナガイサヤコ]
1977年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。新聞記者を経て、フリーランスのライターとして、雑誌、新聞の記事を執筆。2010年、『絡繰り心中―部屋住み遠山金四郎』で第十一回小学館文庫小説賞を受賞し、『恋の手本となりにけり』の題名で刊行し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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