出版社内容情報
自然の意味を問いかけるニューファンタジー
19世紀末に足跡が発見されて以来、何度も目撃されているというヒマラヤの住人・イエティだが、その実体はいまだに謎だ。本書は、イエティのリーダーが捕獲されたことで明らかになったその生き方や能力が、人間の欲望に翻弄されていく物語。架空の土地や謎の生物を描きつつ人間社会に疑問を投げかける筆者の真骨頂。「文明という集団主義は、そうして個人を駄目にし続けてきた」というメッセージが心に響く。
内容説明
ヒマラヤの森に棲む三千ほどのイエティ(雪男)のリーダーは、自分たちの生息域が狭められつつあることに危機感を抱き、種の窮状を訴えようと自ら捕獲される。個を尊重する生態や、心の動きに応じて発生する能力が明らかになるが、それを利用しようとする人間の欲望に翻弄され、やがて戦いになる。架空の土地や謎の生物を描きつつ人間社会に疑問を投げかけてきた著者が、自然の摂理に従った謎の生物・イエティの生き方を鮮やかに紡ぎ出す。
著者等紹介
薄井ゆうじ[ウスイユウジ]
1949年茨城県生まれ。土浦第一高校卒業後、編集プロダクションを経営するかたわらイラストレーターとして週刊誌などに連載を持つ。88年『残像少年』で作家デビュー。94年には『樹の上の草魚』で吉川英治文学新人賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モンティ
2
薄井ゆうじははずれが少ないです。これも面白かった。イエティが現実にいたら本当にこんな能力もってそう。もっと評価されてほしいと思う。2010/10/02
ばななな
1
昔、大はまりした薄井ゆうじさん。本作は初読でしたが、とっても懐かしく感じました。性と孤独と絆をテーマにした話、これこれ!ってテンションが上がってしまいました。2016/03/10
Tomomi Yazaki
0
A級 題名で損してる?
ルナ
0
なんだろ。サラサラしてて文章を追うのが心地よかった。だけど、つまらなかった。というよりついてけなかった。ライチを好きになる理由が全くわからないし、戦争が始まっちゃうのも謎だし…2020/05/31