出版社内容情報
十人の原爆体験を再現した「鎮魂の書」
戦後の広島で、どう「ヒロシマ」を表現するか。“負の昭和”をテーマとする写真家が、まず始めたのは、被爆体験を聞くことだった。本書は、十人の被爆体験を、聞き書きと現在の風景写真を重ね合わせて綴っている。悲惨極まりない現実に直面しながら、生き抜いてきた十人の人生と言葉には、強く胸を打たれるものがある。戦争体験が風化していく今、原爆で亡くなった多くの犠牲者の霊に捧げる「鎮魂の書」である。
内容説明
“閃光の痛みも知らない人間に「ヒロシマ」を語る資格があるだろうか”そんな思いの著者が、撮影と取材を目的に初めて広島を訪れたのは、一九八五年のこと。“負の昭和”をテーマに撮り続ける写真家が、まず始めたのは、被爆体験を聞くことだった。本書は、十人の被爆体験を、聞き書きと現在の風景写真を重ね合わせて綴ったものである。悲惨極まりない現実に直面しながら、生き抜いてきた十人の人生と言葉には、強く胸を打たれるものがある。戦争体験が風化していく現在、原爆で亡くなった多くの犠牲者の霊に捧げる「鎮魂の書」。
目次
家族の絆(高野鼎)
三十三年目の訃報(寺前妙子)
火の海(中尾伝)
モンペ姿の妹(室積淑美)
前夜の酒盃(橋本明)
二人の生と死(高蔵信子)
泉水の少女(島原稔)
乳房の悲しみ(田岡英子)
一人だけの日々(小松清興)
日本との決別(金分順)
著者等紹介
江成常夫[エナリツネオ]
1936年神奈川県生まれ。毎日新聞社を経てフリーに。以後一貫して戦争に関わる生と死を見詰めることで、現代史に対する日本人の精神性を問い続ける。九州産業大学大学院教授。81年木村伊兵衛賞、85年土門拳賞、95年毎日芸術賞などを受賞
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