小学館文庫<br> 紫苑の園/香澄

小学館文庫
紫苑の園/香澄

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  • サイズ 文庫判/ページ数 493p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094044119
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

美智子皇后が愛読した作家が描くすがすがしい少女小説。

 薔薇の匂う春の夕暮れ、女学生の香澄は武蔵野郊外にある寄宿舎「紫苑の園」に入園する。園を営む西方夫人に温かく見守られ、ルッちゃん、マリボ、横ブら寄宿生と愉快な騒動を引き起こす日々。が、病気の母が遂に還らぬ人に。悲しみに沈むなか、母の死と正面から向き合った香澄は、自らの〈癒える力〉を見いだす。やがて親友の兄に心ひかれ……。すがすがしい微風が薫り、感動を呼ぶ少女小説。美智子皇后が愛読した夭折の作家、松田瓊子が描いた清純な世界。  解説・田辺聖子

内容説明

薔薇の匂う春の夕暮れ、女学生の香澄は武蔵野郊外にある寄宿舎「紫苑の園」に入園する。園を営む西方夫人に温かく見守られ、ルッちゃん、マリボ、横ブら寄宿生と愉快な騒動を引き起こす日々。が、病気の母が遂に還らぬ人に。悲しみに沈むなか、母の死と正面から向き合った香澄は、自らの“癒える力”を見いだす。やがて親友の兄に心ひかれ…。すがすがしい微風が薫り、感動を呼ぶ少女小説。美智子皇后が愛読した夭折の作家、松田瓊子が描いた清純な世界。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

32
読んでいて、自分が少女時代に密かに空想していた世界そのものだと驚きました。 私や、同時代の、いや、今も夢見る夢子さん達の世界で、私達は空想するだけだった世界が、作者には物語にするだけの才能があった。 今になっては気恥ずかしいようなお話でした。 それにしても、何と話し言葉の美しい事でしょう。 2015/03/01

ちゃちゃ

17
(本当は,国書刊行会版)児玉清さんの「寝ても覚めても本の虫」から,「ミラ取りがミイラになってしまった」というエピソードがきっかけで手に取りました。この本を読みながら,涙していた哲学青年児玉さんのお姿を思い浮かべると,実に微笑ましい気持ちになります。読んでいて,また「小公女」や「家なき少女」が読みたくなってしまいました。まさに「ダイヤモンド」だね。何と美しい少女たちの心。何と美しく輝いている時間。2012/02/04

さっちゃん

14
言葉の美しさ、登場人物達の心の清らかさに打たれてなんだか自分がひどく汚れているような気になってしまった。私は信仰を持ってはいないけれど、持って生きることがどういうことなのか少し理解できるようになった気がする。2015/08/07

あ げ こ

11
驚くほどに綺麗で清澄な輝き。何もかもが美しい。夢のように美しい。しかしいきいきとしている。賑やかで、楽しくて、快活で。夢のような美しさの中に、馴染み深い歓声が響く好ましさ。その健気さが。時にもどかしい。そして眩しい。慎ましくも力強いその決意が。可憐な、けれど脆くも弱々しくもない少女達。友であり、妹であり、また自分自身でもある少女達を見守り、励まし、支え、導くかのような、書き手の温かな眼差し。物語そのものが松田瓊子自身の敬虔さ(それは感傷などではなく、もっと真摯であり堅固であるもの)の賜物であるかのよう。2016/07/17

真竹

6
主人公の香澄が(出来すぎるほど優等生なのは戦前の少女小説らしさと受け取るとして)、作者自身であるように感じられて仕方がなく、物語の途中からは等身大の瓊子さんを見ているような気分になった。夭折しなかったらどんな書き手になっていたのか。作中、少女たちが夢中になっていたワーズワースの詩を読みたい。『すみれノオト』も再読しよう。2016/02/09

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