出版社内容情報
紫式部は安倍晴明に励まされ、ついに『源氏物語』の執筆を。
「すばらしい」安倍晴明は讃嘆のつぶやきを洩らすと、いつくしむように微笑した。「あなたはこれからさまざまな現実に直面するでしょう。そうした現実をひかる源氏の君の物語に投影させるのです。あなたは、この王朝時代を後の世の人々につたえる使命をになっているのですから」晴明の声が紫式部の胸をゆさぶり、嬉しさが潮のようにみなぎってくる。(これからよ)紫式部の瞳に燃えるような自我のきらめきが生じた。(本文より)
内容説明
それは1000年前のこと―源氏物語誕生秘話。
著者等紹介
谷恒生[タニコウセイ]
1945年、東京の生まれ。鳥羽商船高校卒後、一等航海士として世界を巡る。その体験を生かした海洋冒険小説『喜望峰』でデビュー、冒険小説の旗手となる。さらに歴史小説『那須与一』『毛利元就』などで注目される。他にベストセラー多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 名門企業 角川文庫