出版社内容情報
幕閣の権力抗争を洗い出す新三郎の仕込み筆!
私が小笠原氏の新三郎に惚れ込んでいる理由は、時代考証の正確さと、庶民の生活ぶりを、季節の変化を上手に織り混ぜながら、生き生きと描き出す、その多彩な表現力である。歌舞伎役者として、元禄時代の作品を演じる機会も多いので、新三郎が何を着て、どこに行くか……、という彼を通して語られる当時の様子には、大いに関心をもっている。そのあたりを小笠原氏は、例えば、新三郎の伊達男ぶりを彼の着物を通して、上手く表現しているのだ。(板東八十助)
内容説明
時代考証の正確さと、庶民の生活ぶりを、季節の変化を上手に折り混ぜながら、生き生きと描き出す、その多彩な表現力。
著者等紹介
小笠原京[オガサワラキョウ]
東京本郷生まれ。武蔵大学教授。著書に『蛍火の怪』『寒桜の恋』(旗本絵師新三郎シリーズ)『見返り仏の女』(新人物往来社)『かぶきの誕生』(明治書院)『出雲のおくに』(中公新書)『都市と劇場』(平凡社選書)など
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感想・レビュー
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真理そら
51
順不同で読んでしまったがそれでもあまり違和感がなかった。神童と呼ばれた旗本の三男・新三郎が降るような養子の口をすべて断って絵師として町屋住まいをし、事件解決していくという緩い雰囲気の捕物帳(立場上捕物はできないけれど)。住み込みの弟子・四郎吉の口の悪さやご馳走があると物も言わずにご飯を三杯おかわりしたりする可愛さ、新三郎が出かけるときに選ぶ衣装の細かすぎる描写等、細部が楽しく作者も楽しみながら書いているんだろうなあと思わせる点が魅力的なシリーズだった。2022/02/09
酔ちゃん
0
★★★2022/08/05