出版社内容情報
蝶が変態していく過程を一図に収めた画期的な博物図譜。
メーリアン『スリナム産昆虫の変態』は、従来の博物図譜のスタイルを一変させた。植物を中心に、卵、幼虫、蛹、成虫を同一の画面に描き込むという手法は、画の中に〈時間の経過〉を導入することに他ならない。かくして、博物図鑑の至宝とたたえられる、美しくも異様な図像が誕生した。他に、リンネが絶賛したエーレトの花蝶図、そしてイギリス蝶類図譜の最高傑作といわれるハリスの『オーレリアン』を収める。
内容説明
メーリアンの『スリナム産昆虫の変態』は、従来の博物図譜のスタイルを一変させた。蝶や蛾が、幼虫、蛹を経て成虫に至るプロセスを、一図に描き収める手法は、博物図譜に“時間の経過”を導入することであった。他に、リンネが絶賛したエーレト『花蝶珍種図録』、イギリス蝶類図譜の最高傑作といわれる、ハリス『オーレリアン』。18世紀の三大蝶譜を、一冊に収める。1991年10月に株式会社リブロポートから刊行された『ファンタスティック12』第8巻「昆虫の劇場」をもとに、大幅に図像を差し替え、新たに「イメージ解読のための図像学入門」を書き下して構成。
目次
イメージ解読のための図像学入門第6講 離れわざとしてのアート
エーレト『花蝶珍種図録』―1748‐62
メーリアン『スリナム産昆虫の変態』―1728
ハリス『オーレリアン』―1778
総解説 蝶の舞―18世紀の三大蝶譜について