内容説明
本書は、心理学の一分野である、応用行動分析学(ABA)の理論に基づいて、児童生徒の示す問題行動に科学的にアプローチするため礎を作ったものである。初版は、1993年に出版され、以降現場で実用的に使える書として版を重ねてきている。本書は2015年に出版された、原著第三版の全訳である。問題行動にはどのような機能があるのかを読み解くための「機能的アセスメント」の手続きから、アセスメント結果に基づく行動支援計画の立案まですべてのプロセスを包括的に詳細に解説した、現場で活用できる一冊。すぐに使える記録用紙も掲載。
目次
第1章 序文(本ハンドブックの目的;誰が本ハンドブックを使うべきか? ほか)
第2章 機能的アセスメントとその分析方略(機能的アセスメントのプロセス;機能的アセスメントインタビュー(FAI) ほか)
第3章 行動の機能と介入を関連づける(行動の機能と介入を関連づける重要性;行動の機能と型(トポグラフィー) ほか)
第4章 行動支援計画の立案(行動支援計画の立案;行動支援計画を立案するときの四つのポイント ほか)
第5章 行動支援計画の文書化(行動支援計画を文書にする;なぜ行動支援計画書を書かなければならないのか? ほか)
著者等紹介
オニール,ロバート・E.[オニール,ロバートE.] [O’Neill,Robert E.]
現在、ユタ大学の特別支援教育学部の学部長であり、認定行動分析士(Board Certified Behavior Analyst;BCBA)である。これまで、学部の重度障害のプログラムと中・軽度障害のプログラムにおいてコーディネーターを務めてきており、その二つの領域に関して指導している。さらに、特別支援教育学部の修士課程と博士課程において指導している。カリフォルニア大学サンタバーバラ校において修士号と博士号を取得後、オレゴン大学の教員として9年間勤務し、その後、ユタ大学に着任した
アルビン,リチャード・W.[アルビン,リチャードW.] [Albin,Richard W.]
オレゴン大学特別支援教育学部および臨床科学学部の上級研究員および准教授であり、あらゆる年齢段階の知的障害や発達障害のある人々に関する研究、発達のプログラムやモデル、支援者養成、技術面の援助について、30年以上取り組んできた。ポジティブな行動支援、知的障害や発達障害のある人々に対する代表例教授法、本人中心型計画に関する研究を実施し、発表している。また、ポジティブな行動支援に関する多数のトレーニング教材の開発や、校内研修の提供を協働で行ってきた
ストーレイ,キース[ストーレイ,キース] [Storey,Keith]
オレゴン大学において博士号取得。現在は、カリフォルニア州ヴァレーホにあるトゥーロ大学教育学部の教授であり、また、特別支援教育コースのコース長を務めている。さまざまな障害種の子どもたちの教師を6年間務めた。1988年にThe Association for Persons with Severe HandicapsからAlice H.Hayden賞を受賞、1996年にチャップマン大学から特別支援教育の領域における優れた業績に対して授与されるHau‐Cheng Wang Fellowshipを受賞、2001年にCalifornia Association for Persons with Severe DisabilitiesからRobert DaylordRoss Memorial Scholar賞を受賞している
ホーナー,ロバート・H.[ホーナー,ロバートH.] [Horner,Robert H.]
オレゴン大学特別支援教育学部教授であり、行動分析学、重度障害のある人々に対する指導方略、システムの変容を中心に研究してきている。ジョージ・スガイと共にスクールワイドPBS(SWPBS)の開発と実践に、これまでの18年間取り組んできており、全米で19,000校以上の学校がSWPBSを実施している。この実践からの研究、評価、テクニカルな援助の成果は、ポジティブな学校文化を発展させることが、児童生徒が行動面や学業面でプラスの結果を得られることと関連していることを示している
スプラギュー,ジェフリー・R.[スプラギュー,ジェフリーR.] [Sprague,Jeffrey R.]
オレゴン大学特別支援教育学部の教授であり、大学の暴力・破壊的行動研究所所長でもある。政府、州、地域における、PBIS、RTI、若者の暴力予防、オルタネイティブ教育、少年犯罪の予防および治療、学校の安全といったテーマでの研究や実証プロジェクトを指揮している。研究活動は、応用行動分析学、ポジティブな行動支援、行動的RTI、機能的アセスメント、学校安全、若者の暴力予防、少年犯罪予防などである。もともとは重度知的障害のある児童生徒の教師であり、以前は重度知的障害に関する研究が中心であった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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