小学館文庫<br> 枯木灘・覇王の七日―中上健次選集〈1〉

小学館文庫
枯木灘・覇王の七日―中上健次選集〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 387p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094026115
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

現代文学の到達点 中上健次選集スタート!

現代日本文学の最高峰に位置する中上作品の選集文庫第一弾。兄や姉とは父親の違う私生児としてこの世に生を受け、複雑に絡みあった因縁を抱えて、二十六歳の今を生きる秋幸。体の半分を流れる父である男の血と、閉ざされた土地の呪縛の中で、愛憎は幾重にも交錯し、激情は出口を求めて迸る……。著者自身の郷里・紀州を舞台に、繰り返される宿業と、血で結ばれた父子の葛藤を描く壮大なサーガ。柄谷行人・監修・解説。

内容説明

兄や姉とは父親の違う私生児としてこの世に生を受け、複雑に絡みあった因縁を抱えて、二十六歳の今を生きる秋幸。体の半分を流れる父である男の血と、閉ざされた土地の呪縛の中で、愛憎は幾重にも交錯し、激情は出口を求めて迸る…。著者自身の郷里・紀州を舞台に、繰り返される宿業と、血で結ばれた父子の葛藤を描く壮大なサーガ。その中核をなす代表作「枯木灘」に、父・龍造の視座で綴った番外編ともいうべき珠玉作「覇王の七日」を併録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shomma

9
もう4・5回も読みだして、今回はじめて読み通した。柄谷行人(解説)は中上健次で日本の近代文学は終わったという。この本を読むと散文というのは反復とずれがその特徴に関わるのではないかと(改めて)思う。序盤は4・5回も読んだので親族関係はかなり頭に入っていたが、それでも何度も親族関係表を見直しながら読んだ。死んだ郁男と秋幸の間の歳にこれを読むことになったので、なんだか自分がその間に挟まったような気持で読んだ。まあ別に、一つ歳をとったからといって秋幸のような人間になるわけではないだろうけれど。2015/11/07

mstr_kk

7
再読。うっとりしました。ラスト近くまで何も起きないのに、ものすごい緊張感です。本当に神話のような、引き締まった大傑作です。2014/08/16

hayaco

4
同じ描写を繰り返し「またこの話か」とか思ってるうちに、次第に大きくなっていた。噂話と同じ。面白いとは思うのだけどどこか一線置きたい、不快感さえあった。これも噂話と同じ。全体的には蜃気楼のような世界。2014/01/24

PUKO

2
好悪はともかく…久しぶりに文学に触れたなぁという達成感がありました。少し前の日本の地方の密度の濃さは、よくこういう描かれ方をしますね。2019/03/02

Junko

2
「覇王の七日」その男=浜村龍造。腹違いの兄・秋幸が腹違いの弟・秀雄を殺す。偶発的に起こった殺人だが、秋幸の思いは、浜村の血族の抹殺だった。浜村孫一の子孫である秋幸が秀雄を殺す。それは孫一が孫一を殺したことになる。通夜から七日間、龍造は部屋に閉じこもる。父親として二人の息子を愛していた。一緒に住むことのできなかった秋幸への思いは特に強い。幼い秋幸を訪ねていって、「アキユキ」と声を掛けた日が思い出される。あの日から、自分の元で育てられたら、今日の悲劇は起こらなかっただろうと思っている。2017/05/08

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