出版社内容情報
神話から歴史へ……。記紀の記述を繙きながら、卓越した仮説のもとに再現される天皇の歴史と国家の成り立ち。キリスト教諸国や他のアジアの国々との対比も交え、博覧強記の自在な筆が、日本国のアイデンティティを掘り起こす。
この国は、いかにして中国大陸文化からの独立を図り、日本という一つの国家となったのか。「日本」という国号、今日の平成まで続く独自の年号、そして「天皇」という称号。この国の成り立ちは天皇なくしては語れない。「古事記」「日本書紀」の記述を繙きながら、卓越した仮説のもとに古代史を再現した瞠目の一冊。博覧強記の自在な筆が、キリスト教諸国や他のアジアの国々との対比を浮かび上がらせ、日本という国家のアイデンティティを掘り起こす。日本再発見の書。解説・福田和也
内容説明
この国は、いかにして中国大陸の文化から自立をはかり、日本という一つの国家になって、維持されてきたのか。神話から歴史へ…。「古事記」「日本書紀」の記述をひもときながら、卓越した仮説のもとに再現される古代史の流れ。すなわち「日本」という国号の成立、平成まで続く独自の年号、そして「天皇」という称号―。この国の成り立ち、さらに現代日本のあり様は、天皇なしには語れない。ローマ文化、キリスト教をとり入れ自らの神話を捨て去った西欧に対し、日本は「天皇制」を維持してきた。日本のアイデンティティー再発見の書。
目次
1 国家とその歴史(歴史のある国家・無い国家・歴史を作る国家―国家は歴史を必要とする;初めての歴史書―『史記』『ヒストリアイ』『旧約聖書』はなぜ生まれたか ほか)
2 国家の成立と神話(中国・朝鮮半島の神話―すべての歴史は神話からはじまる;日本国家の成立と日本の神話―神話が語る血塗られた皇位継承 ほか)
3 国家と天皇制の確立(誰が古代史を書いたのか―米を治めたものが国を治める;大和朝廷の成立―由緒ある家柄を証明する ほか)
4 「日本」国号の誕生(敗戦が改革を呼ぶ―領土、国民、政府が確定し国家として自立する;マキャベリストとしての天智天皇―律令と官僚の統治システムの確立 ほか)
5 世界に類なき日本の天皇制(天皇体制と官僚―天皇は権威の根源としての存在になる;日本的君主天皇体制の不思議―天皇になろうとする者は一人もいなかった ほか)
著者等紹介
三浦朱門[ミウラシュモン]
作家。1926年、東京生まれ。東京大学文学部言語学科卒業後、日本大学芸術学部の講師に就任。51年『冥府山水図』で文壇デビュー。67年『箱庭』で新潮文学賞、82年『武蔵野インディアン』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。85~86年にかけて文化庁長官をつとめる
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感想・レビュー
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