出版社内容情報
文化功労者に選ばれた当代一の人気作家が、いまを生きる女性たちに問う、「母の無私の愛」の尊さ。
本書は、夫と幼い子を残して家を出るという過去を見つめ続けてきた寂聴尼が、「自分だけでなく、知ると知らざるとにかかわらない、地球上のすべての人々が幸福でなければ、本当の幸福感は得られないのではないだろうか」(慈悲の極み)との思いをもって、子をもつ若い母に優しく語りかけた33編のエッセイ集である。執筆後に起きたオウム真理教事件や阪神大震災、少年犯罪などの荒廃を予見した鋭い洞察に驚かされる。
内容説明
自分だけでなく、知ると知らざるとにかかわらない、地球の上のすべての人々が幸福でなければ、本当の幸福感は得られないのではないだろうか、との思いをもって、子をもつ母に優しく語りかけた、エッセイ33編。思いやりの心の欠如や、いのちの軽視の風潮、家庭内暴力や親子関係の崩壊がもたらす悲惨な事件が、毎日のように報じられます。身近な出来事を通じて、母の無私の愛こそが、こどもをつつむ環境をやわらげ、その未来をひらくことを力強く訴えかけます。
目次
愛のおくりもの(愛のおくりもの;水子地蔵;胎教 ほか)
もののいのち(もののいのち;おせったい;母の思い出 ほか)
いずこへ(いずこへ;家庭の日について;ハワイの行 ほか)