出版社内容情報
待望の第5弾。鎌倉幕府樹立への道程は『源源合戦だった』
源氏はいかにして平家を打倒し、武士政権を樹立していったのか。その解明の鍵は、"源源合戦"にあった。また、義経は「戦術」の天才でありながらも頼朝の「戦略」を理解することができなかった。
日本人が八百年にわたって錯覚してきた『平家物語』、そして「義経伝説」の虚妄を抉る。
第一章/源頼朝と北条一族編──「源源合戦」「幕府成立」を予見した北条時政の謀略
第二章/源義経と奥州藤原氏編──"戦術の天才"義経が陥った「落とし穴」
第三章/執権北条一族の陰謀編──鎌倉「幕府」を教える歴史教科書の陥穽、ほか全五章。
井沢 元彦[イザワ モトヒコ]
著・文・その他
内容説明
源氏はいかにして平家を打倒し、武士政権を樹立していったのか。その解明の鍵は“源源合戦”にあった。また、義経は「戦術」の天才でありながらも頼朝の「戦略」を理解することができなかった。日本人が八百年にわたって錯覚してきた『平家物語』、そして「義経伝説」の虚妄を抉る。
目次
鎌倉幕府の誕生(源頼朝と北条一族編―「源源合戦」「幕府成立」を予見した北条時政の謀略;源義経と奥州藤原氏編―“戦術の天才”義経が陥った「落とし穴」;執権北条一族の陰謀編―鎌倉「幕府」を教える歴史教科書の陥穽)
武家政治の確立(悲劇の将軍たち編―「言霊将軍」実朝を暗殺した黒幕;北条泰時と御成敗式目編―「法の正義」に優先する「道理」精神)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
149
この第5巻では、鎌倉時代のことを中心に書かれています。比較的常識的な感じがしました。確かに義経は戦術的には優れたものがあったが、頼朝の戦略的な考え方を理解できなかった、というのは私も司馬さんや様々な作家の本を読むたびには思っていました。頼朝を悪人とすることで日本人に対しては義経人気におぶさる傾向があるのでしょう。また歴史を述べながら憲法について述べられているのですが、憲法9条と89条を引き合いに出して井沢さんは述べられていますが私ももっともだと感じています。2016/03/21
キムトモ
132
「鎌倉殿の十三人」は自分鑑賞歴史上最高傑作な大河ドラマだなぁ〜と鑑賞しているのですが…世界観をより堪能するために読み開始。筆者の思想的な解釈の記述が🤏多かったけれど…この時代の思想感や登場人物の想いが伝わり読み応えがありました👍👍👍終盤は泰時の凄さばかりでしたが、ドラマではどこまで描かれるのでしょう〜楽しみです👍ドラマ鑑賞中の方にはお勧めです👍(ノ-_-)ノ~┻━┻日本の歴史は鎌倉時代から始まった…2022/08/05
Shoji
60
この本、余談だらけである。あるいは脱線ばかりしている。そこがとても面白い。「壬申の乱は公家と公家の戦い、関ヶ原の戦いは武士と武士の戦いであり、どちらが勝っても体制に影響はないが、承久の乱は公家と武士の戦いであり、特別の意味があった。」と言う。要するに、為政者が朝廷か武家かのターニングポイント。後の日本の国家の形成に影響した、ということである。なるほど、そう捉えれば歴史は俄然面白い。2018/01/31
兵士O
44
現在放映中の「鎌倉殿の13人」、この本を読んで、あのドラマがかなり史実にのっとって描かれていることが分かりました。タッキーが演じた昔の義経は奥州の藤原秀衡の許へ行くまでに金売り吉次に導かれたとありますが、この本によれば、そんな正規ルートどころではなく、相当辛酸をなめたと推測しています。実際そうだったと思うし、そんな手段を選ばない義経を菅田将暉は見事に演じていると思います。中井貴一の頼朝のような人格者ではない、大泉洋の二面性のある怖い頼朝も納得ぅぅぅ!この本で大河が2倍も3倍も楽しめますね。ただ、小栗旬は?2022/04/17
金吾
38
○坂東武者と源氏の関わり合いは興味深いです。北条時政は晩節は汚しながらも途中まではかなり凄い政治家であり、その資質を義時が受け継いだことが北条執権体制に繋がったのだと思いました。2025/04/08