出版社内容情報
政治から風俗まで。一人一巻の責任執筆で、ジャンルを超えた、さまざまな昭和をここに結集。あなたの生きた時代の鮮烈な鼓動を、確かな息づかいを、もう一度いまあなたに語りかける、手軽な文庫判・全10巻。新事実・新視点で迫る昭和史です。
第一次世界大戦後の日本に花開いた大正デモクラシー。民本主義の潮流は高まり、白樺派水平社などの文化運動や社会運動は、地方でも結実した。自由主義的な風潮の中、原敬の暗殺、そして大正12年の関東大震災は、つづく「昭和」の状況を暗示するものだったか。大震災後、「都市と市民の時代」が到来し、普通選挙法が議会で可決されたが、それは治安維持法とのだき合わせであった。
内容説明
デモクラシーと自由主義か、国家権力と軍部勢力の伸長か。大正時代、国民には二つの道の選択があった。関東大震災・護憲三派内閣・高揚する民衆運動…、「昭和」日本の行く道をきめたこの時期の動きを、多角的にさぐる。
目次
昭和へのふたつの道―はじめに
「改造」の時代
デモクラシーの思潮
自由教育と民衆教育
政治的権利獲得への道
朝鮮民族の独立運動
排日と軍縮
関東大震災と天譴論
普通選挙法と治安維持法
労働者・農民の改革運動
大衆文化と世相の変化
政党内閣と社会不安
転機に直面する国家と国民―おわりに