運命の子トリソミー―短命という定めの男の子を授かった家族の物語

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運命の子トリソミー―短命という定めの男の子を授かった家族の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093965279
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

出生前診断に一石を投じる小児外科医の記録

人間の生命は、両親から一本ずつ染色体を受け継ぎ誕生しますが、染色体が三本に増えている病気がトリソミーです。異常のある染色体の番号によって、「13トリソミー」「18トリソミー」「21トリソミー(別称・ダウン症)」などがあります。13トリソミーの赤ちゃんは、心臓の奇形や脳の発達障害があるため、半数が1か月ほどで、ほとんどが1歳までに死亡します。本書は、小児外科医である著者が「地元の主治医として13トリソミーの赤ちゃんの面倒をみてほしい」と近隣の総合病院から依頼され、朝陽(あさひ)君とその両親に出会うところから始まります。朝陽君の両親は我が子を受け容れ、自宅へ連れて帰り愛情を注ぎます。そして障害児を授かったことの意味を懸命に探ります。著者は朝陽君の自宅へ訪問をくり返し、家族と対話を重ねていきます。また、その他の重度障害児の家庭にも訪れて、「障害児を受容する」とはどういうことなのかを考えていきます。やがて朝陽君の母親は、朝陽君が「家族にとっての幸福の意味」を教えてくれる運命の子であることに気付きます。出生前診断の是非が問われる中、「命を選ぼうとする考え方」に本著は大きな一石を投じます。



【編集担当からのおすすめ情報】
2013年度 第20回小学館ノンフィクション大賞の大賞受賞作品です。
著者は現役小児外科医・松永正訓氏(52才)で、
開業医として小児クリニックで日常の診療活動を行うかたわら、命の尊厳や出生前診断等々をテーマとし、取材・執筆活動に取り組んでいます。
また、がんを克服した子どもたちの支援も行っています。
本書では、染色体の異常「トリソミー」の乳児及びその家族と松永医師の出会いから現在までが丁寧に描かれております。
生まれる前に劣ったと決めつけられた命を排除することは、果たして人を幸福にするでしょうか? 出生前診断の広まりにより、ともすれば「命を選ぶ」という考え方も生じます。本書はそうした考え方に、大きな一石を投じるものです。

内容説明

出生前診断で生命を選ぶ現代に一石を投じる。染色体の異常・13トリソミー。目も見えず、耳も聞こえず、ミルクを飲むこともできない。そんな赤ちゃんを我が子と受け容れて―第20回小学館ノンフィクション大賞・大賞受賞作。

目次

十八年ぶりに出会う患者
眠リ続ける子、眠らない母親
朝陽の誕生
短命という名の運命
五回の手術を受けた13トリソミーの子
兄の心の中にあるもの
祖母の独白
母親の揺らぎ
在宅人工呼吸で幸福を得る―ゴーシェ病の子
我が子を天使として思えるまで―ミラー・ディッカー症候群の子
退院して一年を越える
親亡き後の障害児の将来―「しあわせの家」で
誕生死した18トリソミーの子
二歳の誕生日

著者等紹介

松永正訓[マツナガタダシ]
医師。1961年、東京都生まれ。1987年、千葉大学医学部を卒業し、小児外科医となる。小児がんの遺伝子研究により医学博士号を修得。日本小児外科学会より会長特別表彰(1991年)など受賞歴も多い。2006年より、「松永クリニック小児科・小児外科」院長。本作にて2013年、第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えむ女

54
染色体異常を持った多発奇形の赤ちゃんは一般に短命であるとされるが、在宅で介護する親の気持ちや子の成長を著者である小児科医が話を聞きながらまとめていった本。医療が不可欠な障害児を育てる親も大変だし、知的障害の子も親亡き後どうするのかと言う永遠の不安が付きまとい、経験したものでなければわからない葛藤がある。そんな中でも、子供に気付かされたことも多く、障害を持つ子のいる家庭でも楽しく暖かくお気楽に過ごすこともある。共感し、応援し、恥ずかしく思い、いろんな思いが溢れて来た。私も娘と共にがんばって生きる!2014/09/29

ころりんぱ

53
頭の中を単語がぐるぐる回る。トリソミー、染色体異常、ダウン症、出生前診断、羊水検査、奇形、人工呼吸器、心身障害…どれもこれも知っている。知っているのに、知らないことばかり。当事者でないから。多くの人は喜びとともに赤ちゃんを迎える。なのに、その瞬間から、短命という運命を背負い、いつ消えるかもわからない命を授かる親がいる。こういうこともあるってこと、もっと知られていていい気がする。誰もが我が事に置き換えて考えられるようになったら、人に優しい社会になるんじゃないかと思う。感想を言葉にするのは苦しいな。2015/12/22

やっち@カープ女子

50
読んでいる間、ずっと心の葛藤だった。トリソミーの子の治療、生命論理。すごく重いテーマだが、著者の家族について書く文章で優しく温かい気持ちが伝わって来た。そして最後の朝陽くんとお母さんの写真で救われ、感動した。命は尊い。2015/11/07

とらこ

29
読友さまのレビューを見て手に取りました。タイトルから受ける通り、短命の定めを受けたトリソミーの赤ちゃんのお話。赤ちゃんの人生、そして親の人生が丁寧に書かれていました。短命だと分かっているのだから、積極的な手術や治療はあまり選択しない方針の医師達。しかし告げられた命の長さよりも逞しく成長する彼らに親たちは励まされ愛しく思い、辛い日々に立ち向かいながら奮闘する。『彼を産むために自分は生まれてきたと思う』と言った母親。誕生と死が同時に訪れた赤ちゃんをカンガルーケアする母親。命の尊さを感じる作品でした。2014/03/16

さく

25
生まれた時から短命である定めの、染色体異常の子ども。彼らを育てるって、どういうことだろう。いつ、障害を受け入れるんだろう。そういったことを、小児外科医である著者が障害を持つ子を育てる親に聞き取り、本にした。短命な子だからこそ一日一日が大切で、けれど短命なんてことは考えたくなくて、でもその子を残しては死ねなくて。相反する思いがある中で子どもの生まれてきた意味を見出し、それぞれに幸せの形を見つけている。誕生死した18トリソミーの子の話はとても悲しかった。出生前診断の是非など、考えさせられた。2018/06/02

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