出版社内容情報
生誕百年を迎える宮沢賢治の、雪にまつわる2作品『雪渡り』『水仙月の四日』をテーマにした幻想的写真集です。長時間露光で撮影した雪の風景写真は、賢治の心象をよくイメージ化しています。
“闇渡り”と自らの写真撮影技法をカメラマン畑沢基由氏は名づけています。歌舞伎の黒子が写真を撮っていると思ってもらえばいいでしょうか。夜の雪原に点々と続く人の足跡が、光って浮きあがって見える写真があります。どうして撮影したのか首をひねってしまうのですが、なぜか不思議で幻想的な世界をかもし出しているのです。オンボロな小屋でさえ、夜の闇と雪の白さと、そして畑沢氏の“闇渡り”技法があれば、まるで美しい、ロマンをかきたてる写真になってしまうのです。宮沢賢治の童話に画家が絵をつけると、どうしても説明的になって、自分の空想の邪魔になるという賢治ファンがいます。賢治のロマンはもっともっと深くて、とても画家一人の感性では表現しきれないということでしょうか。ところが、この不思議な写真集は、読者をそれぞれの空想世界にひきこんでくれます。賢治のロマンとは、こんなだっだのかもしれないと思ってしまいます。コンピュータグラフィックスなどで合成して作り出した写真ではなく、一枚一枚長い時間をかけて撮影したものがもつ、存在感のある写真だからでしょう。デザインは写真集『月光浴』の坪内祝義氏が担当しています。賢治の雪の童話『雪渡り』『水仙月の四日』
内容説明
宮沢賢治の雪の童話を、夜の闇と幻想的な光で表現した不思議な写真集。賢治の世界が一枚一枚のフィルムを通して美しく妖艶にひろがってくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森の三時
Kikuyo
ふろんた2.0
千尋
杏