出版社内容情報
京大霊長類研究所が検証する新しい人間学。
ゴリラやチンパンジーはもはや人類の一員だという。サルとヒトの違いは何か。今や自然界における「人類」の定義も大きく変わりつつあり、人間性そのものが問われる時代になっている。本書は霊長類学を始めとする人文諸科学の最新の成果を、京都大学霊長類研究所のスタッフと人文諸科学の研究者が、総力を挙げて検証し、改めて人間の本性を問い直す、初めての、ユニークな試みである。
内容説明
世界の霊長類学は、この四半世紀の間に長足の進歩をとげた。ヒトと大型類人猿との距離は、いよいよ縮まり、いまや大型類人猿はわれわれ人間の身内であると考えざるを得ないという。自然界における人類の位置、人類そのものの定義が大きく修正を迫られているのである。本書は自然科学における最新の認識を検証し、模索する初めてのユニークな試みである。
目次
第1章 座談会=人間の本性とは何か
第2部 シンポジウム講演=「人間」概念の再検討(提言/人類学・系統学から ゴリラ・チンパンジーは“亜人類”;提言/霊長類遺伝学から ヒトとサルの遺伝的差異;提言/動物行動学から 人間にとって文化とは何か;提言/生態人類学から 環境への適応と進化;提言/先史考古学から 遺物から探る最古のヒト;提言/文化人類学から コミュニケーション能力の進化;提言/社会人間学から 人間の社会生活について;提言/宗教学から 人間が人間を理解するということ)
第3部 報告=霊長類学の視座(人間の地平を求めて―総論;2足で立ちあがったヒト;サルの脳・ヒトの脳;ヒト化と音声言語;言語の起源;文化は人間独自のものか;サルの性と生殖;チンパンジー社会から人間社会へ;家族起源論へ向けて)
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