箱根駅伝“最強ランナー”大塚正美伝説

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箱根駅伝“最強ランナー”大塚正美伝説

  • 飯倉 章【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093898225
  • NDC分類 782.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

“敗れざる男”の汗と涙と笑いの異色評伝

歴史ある箱根駅伝で今も語り継がれる伝説的ランナー「大塚正美」。“箱根ファン”でこの男を知らないなんてありえない──。

増田明美さん(スポーツジャーナリスト)推薦!
「大塚正美さんはカッコイイ天才ランナーだった。でもこんなに面白いキャラだったとは。そのポジティブ思考がメンタルの強さの源なのだと感じました。知らざるスター選手を現代に蘇らせた飯倉章さんの筆力にも感動!」

当時、史上9人目の4年連続区間賞を達成した大塚正美選手の箱根駅伝での激走をめぐっては、数々の“伝説”が残されている。

「スピード重視の“花の2区”、スタミナ重視の“山登り5区”を共に制し、1500mでも日本一になった天才オールラウンダー」
「“花の2区”で12年間破られなかった伝説の区間記録を樹立。8区の区間記録も15年間破られず」
「山登り5区、そこでかけた音楽は? 邪魔な伴走車にとった行動は? ユニフォームの誤算とは?」
「日体大同期“山の妖怪”谷口浩美の様子、順天大上田誠仁・大東大米重修一との激闘も活写。1980年代前半の箱根駅伝が甦る!」etc.

4年連続区間賞&2区・8区で長寿記録を樹立した“敗れざる男”──箱根路がもっと面白くなる、汗と涙と笑いの異色評伝。

【編集担当からのおすすめ情報】
最近の箱根駅伝ファンが「大塚正美」と聞いても、ピンと来ないかもしれません。大塚選手が活躍していたのは、箱根駅伝がまだテレビ中継されていなかった1980年代前半のこと。でも、往年のファンに言わせると、「大塚正美を知らないなんてありえない」そうです。

実際、大塚選手は、100年を超える箱根駅伝で過去13人しかいない「4年連続区間賞」を達成しているばかりか、“花の2区”“山登りの5区”そして8区で区間賞を獲得。さらに、大学3年時に日本選手権トラック中距離の1500mでも優勝したオールラウンダーで、「学生最強のランナー」「“ポスト瀬古”の声がかかる学生NO1」(いずれも当時の読売新聞記事)などと騒がれる存在だったそうです。

そんな大塚選手の走りを実現したのが“鋼のメンタル”でした。どんな逆境にあっても、常にプラスに考える究極のポジティブ思考が、そこにはありました。

著者の飯倉氏は、現在、城西国際大学で教鞭を執っている大塚氏の同僚(先輩)です。つかず離れず、絶妙な距離感で取材した成果が、この評伝として結実しました。


【目次】

まえがき──「記憶の勝負師」が消え去る前に
元日から黙々モク拾い/“ポスト瀬古”のオールラウンダー/人間は図太いが、骨は細い

エピソード1 「残念」な新記録──1980年・第56回大会 8区「区間賞・区間新」
看板倒れのスーパールーキー/駅伝寮「集団脱走」事件/脱走はしてみたけれど/青春ドラマの正義感/チューリップ事件/マネージャー転向?/モデルとなる教師/なんちゃっての復活/不調の真相/井の中の蛙/「天才型」中村先輩・「努力型」新宅先輩/マッサージ係の正選手/8区に決まる/新人らしからぬ工夫と目標/瀬古選手の「お化け記録」/復路・順天大の猛追/異変そして〝二刀流〟中井選手/タスキの重みとタスキの復讐/クレーマーとしても一流?/身体が動かない/観衆はみんなオレの味方/難所と運命の声掛け/中距離の名選手──石井隆士・森本葵/「ちくしょう、こんなものかよ」/総合優勝/15年間破られなかった記録/勝って驕り、負けて腐る

エピソード2 「山の暴れん坊」──1981年・第57回大会 5区「区間賞」
偉大な恩師・関山監督/監督がいない/「新人類」大塚をめぐる誤解/門前の小僧/春合宿で食中毒/フランク・ショーターに勝ったけど/山の大魔神・大久保選手/いぶし銀の岡俊博選手/因縁の上田選手/事前情報の誤算/「伴走車は黙ってろ!」/箱根湯本に響いたテクノポップ/順調な登りと予想外の大風/自衛隊ジープに蹴りを入れる/マイナス思考でも実は「区間賞」/下りの上田は速かった/山の妖怪・谷口浩美選手/順天大・中井選手のリベンジ/他校の監督にイチャモン

エピソード3 不完全燃焼──1982年・第58回大会2区「区間賞」
秘密だった「特待停止」/スター気取りのウイニング・ラン/トラックのアイドル/澤木コーチとドラキュラ城/「駅伝留学」/村越忍選手の10400m走/3000m障害に急遽挑戦/元祖「コケちゃった男」/アウィータに驚き、コマネチに感激/日本一になる/「2区」に決まるも〝陽動作戦〟/「カーボローディング」と調整の失敗/79年入学組/またしても中井選手と対決/予想外の敵/やる気がなくても区間賞/駅伝部のゴタゴタ/順天・日体の名勝負/ブレーキ同士の大逆転劇/優勝しないと面白くない/名は体を表さず/強さを生んだトレーニング

エピソード4 激走の真相──1983年・第59回大会 2区「区間賞・区間記録」
寮を出て貧乏生活/部員700人の主将になる/「大塚タクシー」誕生/教員試験でインカレ2日目は欠場/就職先はナイキを選んだが……/「2区を空けて待っている」/谷口選手(のおしゃべり)に負ける/〝最強の刺客〟ヨネドン/相手の意表を突ければ「9割勝ち」/ボディブローのような揺さぶり作戦/「坂」と「カーブ」を巧みに利用/「倒れ込み」ゴールの真相/大記録も「米重さんのおかげ」/岡選手の快挙/谷口選手は〝意地の区間新〟/〝屈伸男〟と〝意識朦朧アンカー〟/1983年日体大チームの強さの秘密/箱根がすべてではない/天才

内容説明

“箱根ファン”でこの男を知らないなんてありえない。4年連続区間賞&2区・8区で長寿記録―“敗れざる男”の汗と涙と笑いの異色評伝。

目次

エピソード1 「残念」な新記録―1980年・第56回大会8区「区間賞・区間新」(看板倒れのスーパールーキー;駅伝寮「集団脱走」事件 ほか)
エピソード2 「山の暴れん坊」―1981年・第57回大会5区「区間賞」(偉大な恩師・関山監督;監督がいない ほか)
エピソード3 不完全燃焼―1982年・第58回大会2区「区間賞」(秘密だった「特待停止」;スター気取りのウイニング・ラン ほか)
エピソード4 激走の真相―1983年・第59回大会2区「区間賞・区間記録」(寮を出て貧乏生活;部員700人の主将になる ほか)

著者等紹介

飯倉章[イイクラアキラ]
1956年、茨城県古河市生まれ。1979年、慶應義塾大学経済学部卒業。1992年に国際大学大学院修士課程修了(国際関係学修士)。2010年、学術博士(聖学院大学)。国民金融公庫職員、国際大学日米関係研究所リサーチ・アシスタントを経て、城西国際大学国際人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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半蔵門タロー

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最新理論と技術、練習方法などが当たり前の、近年の箱根駅伝になる前のスター大塚正美を、後年知り合ったノンフィクション作家が描いた内容。TV放送も常態化する前なので、大塚氏は陸上ファン以外には知名度が低いかもしれないが、今なら考えられない逸話が楽しい。現在は少しのほころびで優勝には絡めなくなるが、小さな失敗はリカバーできる時代のおおらかさも感じる。箱根界隈で聞く人たちが、どうつながっているかわかる面白さも。何より筆者と大塚氏の距離感が近く、遠慮のない語り口が独自の仕上がりにしている。伴走車キック伝説が最高w2025/12/09

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