内容説明
全世界で3000万人が飲んでいる「奇蹟の薬」、それが体内のコレステロール値を下げる高脂血症治療薬「スタチン」である。脳梗塞や心疾患を引き起こす動脈硬化の治療にいまや欠かせない「世界一有名な薬」それを発見したのが日本人だということを知っているだろうか。30年以上前からメタボリックシンドロームの危機を予見し、ノーベル賞に値する功績を挙げた農学博士・遠藤章の「創薬」の物語。第13回小学館ノンフィクション大賞優秀作受賞作。
目次
第1章 原点はハエトリシメジ
第2章 コレステロールとの出会い
第3章 新薬の種
第4章 障壁
第5章 治験
第6章 メルクとの攻防
第7章 世紀の薬へ
第8章 探索の旅
著者等紹介
山内喜美子[ヤマウチキミコ]
1962年、福岡県生まれ。1985年、早稲田大学第一文学部演劇専攻卒業。民放アナウンサー、雑誌記者を経て、フリー。生老病死をテーマに著作を続ける傍ら、講演、司会、シンポジウムのパネラーなど多彩に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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OMO
1
面白さ:○ 興味:◎ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2022/10/06
Satoshi Suzuki
1
我らがリピトールの話、、、後半は遠藤博士の発見を活かせなかった三共批判が少々。薬屋なら歴史書として読んで損はないと思う。
areredesu
1
私は本を読むまで『スタチン』と言う名の薬を知らなかった。遠藤 章(あきら)らが発見したスタチンによる高コレステロール血症の治療薬である。日本人として誇りを感じる一方、日本企業の経営戦略の弱さを感じてしまう。2013/07/15
Wyoshi
1
言わずと知れたスタチン開発物語。世の中でその業績に比べ、遠藤章先生がどれだけの低評価に甘んじているのか、業界人だけではなく一般の人々ももっと知るべきであろう。それにしても当時の三共の実力では仕方がなかったのかもしれないが、情けない組織、というしかない会社の実情が暴かれている。当時の日本の製薬企業はみんなこんなものだったが、その中から世界を席巻した薬を生み出した業績をもっと評価してもいいだろう。2013/06/17
dpx400jp
0
青カビから高脂血症治療薬スタチンを発見し、日本初のブロックバスター医薬品と呼ばれるメバロチンの基本骨格であるスタチンを開発した遠藤章博士の研究人生について書かれた本。 一人の研究者の生きざまを描いた興味深い一冊ではないでしょうか。 2010/11/06