日本美のこころ 最後の職人ものがたり

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B5変判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093886673
  • NDC分類 750.21
  • Cコード C0095

出版社内容情報

彬子女王殿下が訪ねる「最後の職人」たち

世界に誇るべき日本の手わざ。
江戸期より明治、大正、昭和と守り伝えられてきたものが、いま、消えつつあります。
烏帽子(えぼし)、杼(ひ)、蒔絵筆(まきえふで)、烏梅(うばい)、和釘(わくぎ)、キリコ、金唐紙(きんからかみ)、御簾(みす)、漆(うるし)かき道具……。
後継者不足や材料の枯渇、用途の減少により失われつつある伝統の手わざを、最後のひとりとなっても守り続ける矜持をもって、日々仕事に励む職人たち。
その真摯な姿が稀少なものを生み出す現場を訪ね、日本文化に造詣の深い彬子女王殿下ならではの視点で魅力を読み解いた、知性溢れるエッセイ集です。
雑誌「和樂」誌上での連載3年分より25本を厳選して収録。
美しい写真をふんだんに掲載し、装丁にも凝った、宝物にしたい一冊となっています。


【編集担当からのおすすめ情報】
北は青森から南は沖縄・久米島まで、深い山中から離島まで、日本全国の職人たちのもとへ、彬子女王殿下が自ら足を運ばれました。その丹念な取材をもとにお書きいただいたエッセイは、日本の伝統美を未来へどう伝えていくかの示唆に富んでいます。日本文化にご興味のある方には、ぜひ手にとっていただきたく思います。

内容説明

烏帽子、杼、蒔絵筆、長崎刺繍、京弓、烏梅、からむし、キリコ、撥鏤、和鏡、丹後和紙、金唐紙、久米島紬、御簾、漆掻き道具、駿河炭、金平糖、コロタイプ印刷、文化財修理など、最後のひとりとなっても昔ながらの手法を守り続ける矜持をもち日々仕事に励む職人たちを、彬子女王殿下が訪ねた珠玉の随筆集。

目次

烏帽子―職人 四津谷敬一さん(富山県富山市)
杼―職人 長谷川淳一さん(京都府京都市)
蒔絵筆―職人 村田重行さん(京都府京都市)
京瓦―職人 浅田晶久さん(京都府京都市)
長崎刺繍―職人 嘉勢照太さん(長崎県長崎市)
京弓―職人 柴田勘十郎さん(京都府京都市)
本藍染―職人 森義男さん(滋賀県野洲市)
烏梅―職人 中西喜久さん(奈良県奈良市)
からむし―職人 昭和村からむし生産技術保存協会(福島県大沼郡昭和村)
琵琶―職人 四世石田不識さん(東京都港区)
金具―職人 横山金具工房(京都府京都市)
キリコ―宮司 工藤庄悦さん(宮城県本吉郡南三陸町)
撥鏤―職人 守田蔵さん(京都府木津川市)
和鏡―職人 山本晃久さん(京都府京都市)
丹後和紙―職人 田中敏弘さん(京都府福知山市)
金唐紙―職人 上田尚さん(東京都豊島区)
久米島紬―職人 久米島紬事業協同組合(沖縄県島尻郡久米島町)
御簾―職人 豊田勇さん(東京都江東区)
加賀水引―職人 津田宏さん(石川県金沢市)
漆掻き道具―職人 中畑文利さん(青森県三戸郡多子町)
駿河炭―職人 木戸口武夫さん(福井県大飯郡おおい町)
熊本城復元事業―職人 熊本城総合事務所(熊本県熊本市)
金平糖―職人 清水誠一さん・泰博さん(京都府京都市)
コロタイプ印刷―職人 便利堂(京都府京都市)
文化財修理―職人 美術院国宝修理所

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

73
本の天が銀色で上品な本。冒頭から23ページがカラー写真で目を奪われ、25の職種の職人が紹介されている。琵琶:琵琶は語り物の伴奏楽器であるため、音は演奏する人の音声に合わせて作る…。撥鏤:バチルと読み撥ね彫りで彫り方の技法をいう。コロタイプ印刷:ゼラチンを使った印刷。など知らないことが多々あり、面白い。しかし、その仕事をしている人の多くが最後の職人であるとともに日本文化を守る最後の砦の人達でもある。2019/11/02

けんとまん1007

45
職人の2文字には、ずっと惹かれている。手仕事という言葉を連想するからだ。もちろん、手仕事の意味するものも、手を使うことであり、実体験を伴うものと理解している。そんな職人と言われる人たちの世界が、さりげない文章で綴られている。最後の一人であることが、寂しいものがある。中には、次の世代につながったものもある。最初に取り上げられているのが、地元富山であるのが嬉しい。あと、大桶作り(味噌・醤油作りのための大桶)に取り組んでいるヤマロク醤油さんを想い出す。人の生き様、文化でもある。2022/12/21

しげ

29
紅葉シーズンからは少し外れてしまいましたが奈良京都を訪れています。ホテル客間に備えられていた一冊、大喪の礼でも使われた鳥帽子、古来から職人さんが引き継いできた技術(蒔絵筆、京弓等々)伝統技術は有っても材料、資材が入手困難であったり後継者が無かったり…利便性を追求し過ぎて安価なモノを消耗する日々に反省します。2022/12/09

まっと

26
日本の伝統工芸品を守る職人の方々を語るエッセイ25編。三笠宮家・彬子殿下の優しくさりげない、流れるような語り口が心に刺さる。「職人」には若い頃からずっと強く憧れているが、本書でそれぞれの道の達人の静かで熱い思い、時には淡々とした印象すらある姿勢にはこみ上げてくるものがある。世間とは違う時間の流れの中で恐ろしく時間のかかる工芸品にじっくり向合う姿は魅力的だ。彼らのそうした思いも含め次世代につなげて欲しい。「蒔絵筆」「琵琶」「丹後和紙」が特に印象深かったが、伝統工芸品の奥深さを垣間見た幸せな読書時間だった。◎2023/02/07

ひろさん

16
赤と青のガウンを読んで、彬子女王の文章のファンになり手にした本。彬子女王本人が専門家として古美術の知識が豊富なので、見て触れて感じられて綴られた言葉がとても読みやすく素晴らしい本でした。最後の職人の継承者問題は喫緊の課題ですね。京都に文化庁を移動させた事も納得の、京都の職人の層の厚さに驚きました。2024/10/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13598574
  • ご注意事項

最近チェックした商品