出版社内容情報
その治療、ちょっと待って!
「いい治療」で苦闘するより、
「つらくない方法」でラクに長生きする。
そのためには、なにを選択し、なにを心がければいいのか。
がん放置療法の近藤誠医師と、
在宅緩和ケアの萬田緑平医師が語りつくしました。
【はじめに】より
よく「医療否定」と言われてしまうけれど、逆なんです。
僕は慶応大学病院時代から40年以上、一貫して
「患者さんがいちばんラクに長生きするために必要な医療」を
探しぬき、肯定してきました。
「十人十色のがんの、それぞれの症状に応じて、
こんなにきめこまかく対処法を考えてきた医者は、
世界中探してもほかにいないはず」と、自負しています。―― 近藤 誠
患者さんに教わったんです。
がんと闘わないこと、治療がつらいと思ったら「やめる」ことを選び、
自然に任せていれば、
がんでも決して、のたうちまわって死ぬことはない。
むくみや、腸閉塞や、肺炎の苦しみもない。(中略)
そして「こんなにもつとは」ってまわりが驚くほど、
世間の常識より長く生きる人が多いということを。―― 萬田緑平
【編集担当からのおすすめ情報】
つらい手術や抗がん剤治療、
胃ろうや点滴などチューブだらけの
延命治療は望まないという人が多い時代。
がんという病とどう向き合い、
どう生きるかの指針に満ちた一冊です。
【目次】より抜粋
◎笑ってピースして旅立つ、在宅のがん患者たち
◎がんは本来、最期まで歩いたり話したりできる病気
◎自宅で好きに生きられると、最後までラク。
日本人の8割以上は病院で「苦痛死」
◎「がん放置療法」は「全部ほっておけ」療法? そんなバカな
◎ピンピンしているのに「がん」と診断されたら忘れなさい
◎「入院したくない」は、つらい延命治療をされるかどうかの大関門
◎緩和ケアにタイミングよく移行すると、普通に暮らして「こんなにもつとは」
◎終末期は「点滴と別れる」決心を
◎痛みはこわくない。医療用麻薬できちんと抑えて旅行やゴルフを楽しめる
◎生かされている人は肺炎になる
◎最後までオムツ生活にならない方法、教えます
◆はじめに
世界一ラクで、お金もかからず、長生きできるがん治療/近藤誠
亡くなるその日まで自立して、楽しく生き抜こう/萬田緑平
【第1章】 がんを治療しない自由
笑ってピースして天に旅立つ、在宅のがん患者たち
25センチの卵巣がんを抱えて3年元気
生気にあふれた末期がん患者
千代の富士と大橋巨泉さんのがん闘病
自宅で好きに生きられると、最後までラク。日本人の8割以上は病院で「苦痛死」
緒形拳さんの決断
小林麻央さんが続けた抗がん剤治療のリスク
治療がずるずる引き延ばされやすい理由
梨元勝さんの悲劇が語る、抗がん剤ロシアンルーレット
女は強し。だから苛酷な抗がん剤治療などの「医療被害者」になりやすい
メスを入れると、がんが暴れる
「すぐ治療しないと、のたうち回って死ぬ」…見てきたようなウソを言い
手当たりしだいに手術する「切り裂きジャック」の出世
「萬田さんはがんの治療を受ける?」「いや、全く受ける気ないです」
夏目雅子さん、本田美奈子さん…大人の急性白血病は難治。渡辺謙さんはラッキー
がん患者の心はグラグラ揺れる。治療拒否は難しい
北斗ブログの「呼びかけ」で、乳がん検診に走った女性たち
もはや世界の常識。昔の10倍「早期発見・早期治療」しても、がん死は減らない
「ピロリ除菌で、がん死は減らない」というイギリスの見解
一般のセカンドオピニオンでは、「治療しないとどうなるか」を教えてくれない
「治る」とは、元気だった時の体に戻れるわけではない
そっぽを向く、脅す、暴言、説明しない…「迷医」の胸の内
【第2章】 がん治療のベルトコンベアから飛び降りる
「がんを早く治療すると、早く体をダメにしそう」と気づくまで
患者の手術をバリバリやっている外科医が、がんになったとき
「ほら、近藤さんの本に書いてあるでしょ」。がんを治療しない選択
外科医時代は、苦しくて悲しい死ばかり見てきた
「がん放置療法」は「全部ほっておけ」療法? そんなバカな
胃がんを「とことん治療した人」「家に帰った人」の結末
みんな延命治療されずに亡くなりたい
最後まで治療する道を選ぶと「つらくない最後」にはできない
日本の病院では、治療を「やめる自由」「しない自由」が認められない
がんを告知しなかった時代、患者にウソを言って抗がん剤治療を
再発患者に時間をかけてるヘンなやつ
【第3章】 がんほどつきあいやすい病気はない
「治療しない」と決めた患者は、どこに行く?
「治療」「放置」それぞれの今後を説明して、自分で選んでもらう
ピンピンしているのに「がん」と診断されたら、忘れなさい
それぞれの治療イケイケ時代
「アンチ近藤派」の論理はメチャクチャ
都合のいいデータは、いくらでもつくれる
健診は健康な人に「病気」のレッテルを貼って、病人に転落させる装置
体が弱くて病気のデパート? 病名はいくらでももらえます
年をとって、うかつに入院するとボケる
夕張市に学ぶ「検査も治療もしなければ、家でスーッと自然に逝ける」
スキルス胃がんを放置したら、8年間なんの症状も出なかった
検診も治療も受けないがん患者は、どういう経過をたどるか
「いい治療」より「つらくない方法」を選ぼう
「余命は半年と言おうマニュアル」がある?
進行がんを放置して、10年以上生きた患者さんをたくさん見てきた
手術と抗がん剤は、たいていセット。地獄への道は善意で舗装されている
「抗がん剤はもうやめましょう」「突き放された」
体の声を聞け。「これ以上はヤバい」と叫んだら、抗がん剤をやめること
放射線治療医の「なり手」が少ない理由
反旗をひるがえして、定年まで村八分
日本の乳がん患者の1%が押し寄せた
がん治療が「めしのタネ」になっている
【第4章】 在宅緩和ケアのすすめ
自宅で亡くなる日本人が、少しずつ増えている
在宅ひとり死は、ラクですよ?
助けにきてくれたんか? なんで縛られてんだか、わかんね?
帰宅して管をはずし、晩酌を楽しみ、余命も延びた
緩和ケアにタイミングよく移行すると、普通に暮らして「こんなにもつとは」
「そろそろかもしれない」と本当のことを伝えて、きちんとお別れを
第5章 がんの終末期をどう過ごすか
痛みはこわくない。医療用麻薬できちんと抑えて、旅行やゴルフを楽しめる
がんの痛みがある人は、医療用麻薬で中毒にならないし、依存症状も出ない
余命の限られた患者への、「鎮静」という名の安楽死
ホスピスの怪談。あの病院に入ると、ふつうに歩けた患者もすぐ死ぬ……
日本人の2人に1人はがんになるのに「まさか私が」
「早くお迎えがきてほしい」高齢者を、どこまで治療するか
徹底的に、本人が好きなように最期の日々を
「よくなってます詐欺」に大金を払い続けて亡くなる
枯れて逝くのがいちばんラク。終末期は「点滴と別れる」決心を
がんの末期には、体が水分をうまく取りこめなくなる
生かされている人は肺炎になる
最後までオムツ生活にならない方法、教えます
イモが食いたい一心で余命1週間からよみがえり、何年も生き続ける
終わりよければすべてよし。「いい人生だったね」と祝福しよう
人生最大の親孝行「ありがとう」をはやらせよう
死ぬ時「幸せな人生だった」と感じられるかが、最終結論
別れはいつも「こんなに早いと思わなかった」
死にそうになってから「あれもしたい、これもしたかった」では遅い
「世界一ラクながん治療」で、死の苦しみからも解放される
◆世界一ラクがんノベル
萬田緑平、胃がんに死す。享年58
近藤誠、肝臓がんに死す。享年74
近藤 誠[コンドウ マコト]
著・文・その他
萬田 緑平[マンダ リョクヘイ]
著・文・その他
内容説明
「家で生き抜こう」「医者を信じるな」「いい治療」より「ツラくない方法」で。がんでもラクに長生き。医師対談。
目次
第1章 がんを治療しない自由
第2章 がん治療のベルトコンベアから飛び降りる
第3章 がんほどつきあいやすい病気はない
第4章 在宅緩和ケアのすすめ
第5章 がんの終末期をどう過ごすか
世界一ラクがんノベル
著者等紹介
近藤誠[コンドウマコト]
1948年東京都生まれ。「近藤誠がん研究所」所長。1973年、慶應義塾大学医学部を卒業。76年、同医学部放射線科に入局。83年~2014年同医学部講師。12年「乳房温存療法のパイオニアとして抗がん剤の毒性、拡大手術の危険性などの啓蒙を続けてきた功績」により「第60回菊池寛賞」受賞。13年、東京・渋谷に「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を開設
萬田緑平[マンダリョクヘイ]
1964年東京都生まれ。在宅緩和ケア医。1991年、群馬大学医学部を卒業し、同大学附属病院第一外科に所属。県内外の病院外科勤務を経て2008年、群馬・高崎の「緩和ケア診療所・いっぽ」の医師となる。外来と在宅を合わせて常時80人ほどの終末期の患者を担当し、休日は、在宅緩和ケアを広げるための講演活動を積極的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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