内容説明
18世紀、ロンドンの路地裏にひっそりと佇む薬屋があった。客は男に苦しめられた女性のみで、店主ネッラがつくる“毒”に助けを求めやってくる。ネッラは女たちのため毒を処方し続けたが、ある少女が店を訪れたことで運命の歯車が狂いだす―時は変わり現在、大学で歴史学を学んだキャロラインは古びた瓶を拾ったのを機に、かつて謎の薬屋がおかした連続殺人を調べることに…全米100万部の話題作!
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
71
現在と過去の相乗効果でファンタジックなミステリー。結婚10周年旅行の直前に夫の浮気が発覚し、ロンドンへの一人旅となったキャロライン。18世紀のロンドンで女性のために毒薬を調剤する薬剤師のネッサ。キャロラインが拾った瓶からこの2つがどうつながるのか。どちらの話も先が気になり読み進めたが、女性の生き方についても考えさせられた。キャロラインの決断はとても素敵で好きだが、私には絶賛で面白いとは思えない作品だった。2024/02/03
星落秋風五丈原
48
18世紀と現代で、夫に浮気された妻が登場。一人は夫を毒殺しようとしていわくつきの女性を尋ね、現代のキャロラインは傷心旅行に出て、過去の薬屋の瓶を見つける。現代と過去を交錯させながら物語を展開させていくパターン。共通要素は「夫の浮気」と「毒」だが、現代パートの毒の使い方がどうもうまくない。過去パートの毒は、確かに証拠を残さず、長年隷属状態にある女性達が、思い余った末の犯行である点、主張する場を持たない女性の復讐手段として理解できたが、わざわざ現代パートに毒を絡ませる必要があったのか。2023/12/19
鴨ミール
30
今のように、科学捜査が進んで「毒」の分析も可能になっていては、毒殺は難しいが、これがかなり昔だったら、死因の解明もされずに、普通の病死として扱われることもあったのかもしれないと読んでいて思った。 男性に苦しめられた女性だけ、救うために毒を売る。薬には精通してる彼女も何故か自分の病だけは治す事が出来なかった。そんなお店の跡を見つけた現代の主人公。彼女がこれからどんな道を歩むのか、とても気になりました。西洋薬の開発がまだ途上だった頃には、ハーブや薬草を煎じて薬にしていたんだろうな。私も調味がある。2025/03/22
しゃお
23
殺したい男がいる女性達の為に毒を売る、路地裏でひっそり営む薬屋のネッラの18世紀のロンドン。夫の不貞を知り思い悩む中で古びた瓶を拾った事で、薬屋が犯した連続殺人について調べ始める現代のキャロライン。200年の時を越えて描かれる、虐げられたり傷付いた女性達に寄りそう物語。少々都合良すぎかなと思わないでもないですが、ネッラの元で手伝う少女イライザの純真な優しさがこの物語の最大の薬となって読者を誘ってくれ、没頭させられました。希望や願い、自己再生や、女性同士の絆が最後まで良心的に描かれていて良かったです。2023/10/19
み
18
現在と過去が、交互に書かれてますが、読みやすかったです。女性が虐げられてる時代とはいえ、犯罪は犯罪だわ…。2024/03/30