慰安婦問題をこれで終わらせる。―理想と、妥協する責任、その隘路から。

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093884235
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0095

出版社内容情報

良識と国益の「具体案」、この一冊。

「戦時下の公娼」か「性奴隷」か…右派と左派が叫びあうも、一般市民はもはやウンザリ…? “超左翼”を名乗る著者が右派に学び、矛盾にも見える現象からその本質を抉り出す。「動かすカギは“左翼の妥協”である」と。

一章:朝日新聞の本当の「罪」とは
・朝日の検証と他メディアによる批判をめぐって
・本質を朝日は見誤っていたのではないか
・慰安婦問題の本質はどこにあるのか

二章:政府声明「河野談話」とは何だったのか
・談話の評価は逆転されてきた
・問題の本質としての矛盾
・アジア女性基金の「失敗」から何を学ぶか

三章:植民地支配と和解について国際標準から
・日本の植民地支配をどう考えるか
・被害者の癒やしと加害者との和解の多様なかたち
・法的でも道義的でもなく…

補論:妥協と原理の政治について
1・理論編
(1)対立軸の双方にいる良識派
(2)対立軸は固定的でも絶対的でもない
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【編集担当からのおすすめ情報】
正直、私を含め多くの方にとって、ウンザリの思いも禁じえないのがこの問題かもしれません。先の大戦での日本のふるまいに反省すべきではと感じつつ、でもやはり日本国内の左派と右派それぞれの、また韓国側からの、叫びのような各主張に、ウンザリ……穏健な議論はどこにあるのだろうかと。
しかし、いまなお日韓の棘となっており、また2015年で戦後70年、また日韓基本条約50年でもある節目であり、いやおうなく外交問題ともなるでしょう。
そこで「左翼内保守派」や「左翼内右翼」とも呼ばれる著者が、この問題の本質を考えぬいた上で、良識と国益を兼ねた具体案を提示します。穏健な右派と左派そして中道の方々の、冷静な議論の叩き台になっていると思います。
「現実に鍛えられた理想」についての一冊です。

はじめに・右派と左派の相変わらずの対立を超えて

一章:朝日新聞の本当の「罪」とは
・朝日の検証と他メディアによる批判をめぐって
・本質を朝日は見誤っていたのではないか
・慰安婦問題の本質はどこにあるのか

二章:政府声明「河野談話」とは何だったのか
・談話の評価は逆転されてきた
・問題の本質としての矛盾
・アジア女性基金の「失敗」から何を学ぶか

三章:植民地支配と和解について国際標準から
・日本の植民地支配をどう考えるか
・被害者の癒やしと加害者との和解の多様なかたち
・法的でも道義的でもなく…

補論:妥協と原理の政治について
1・理論編
(1)対立軸の双方にいる良識派
(2)対立軸は固定的でも絶対的でもない
(3)現実が変化しないと意識は変化しない
2・実践編
(1)護憲を日本防衛・国際貢献と両立させる
(2)抑止力に替わる新しい防衛政策への自覚
(3)「自衛隊を活かす会」の設立と活動の展開
3・妥協と原理は融合しうる

おわりに

参考文献と関係資料

内容説明

著書『憲法九条の軍事戦略』でリアリストの護憲論を掲げた“超左翼”が問う。現実に鍛えられた、リアルな理想とは。「性奴隷」か、「戦時下の公娼」か、矛盾にも見える現象、双方を貫く本質から抉り出す―動かす鍵は、左翼の“妥協”である。

目次

第1章 朝日新聞の本当の「罪」とは(朝日新聞の検証とメディアによる批判をめぐって;朝日新聞は本質を見誤ったのではないか;慰安婦問題の本質はどこにあるのか)
第2章 政府声明「河野談話」とは何だったのか(談話の評価を右派も左派も逆転させてきた;問題の本質としての矛盾を体現した河野談話;アジア女性基金の「失敗」から何を学ぶか)
第3章 植民地支配と和解について国際標準から(日本の植民地支配をどう考えるか;被害者の癒やしと加害者との和解の多様なかたち;法的でも道義的でもなく)
補論 妥協と原理の政治について(理論編―改憲と護憲の弁証法;実践編―「自衛隊を活かす会」へ;妥協と原理は融合する)

著者等紹介

松竹伸幸[マツタケノブユキ]
1955年長崎県生まれ。一橋大学卒。ジャーナリスト・編集者。リアリスト左翼として“超左翼”を名乗るブロガーでもある。かつて日本共産党政策委員会で安全保障と外交を担当する安保外交部長を務めるも、自衛隊に関する見解の相違から2006年に退職。現在は、「自衛隊を活かす会」、正式名称「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会」(代表は元内閣官房副長官補の柳澤協二氏)の事務局も担い、憲法九条下での自衛隊のあり方を模索している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みのくま

8
著者はとても誠実である。慰安婦問題で一番優先すべきは、元慰安婦の心の傷を癒すということなのだ。強制連行であろうがなかろうが、戦場に慰安婦として参加したのであるならば、礼を持って接しなければならない。ましてやもう元慰安婦はご高齢で、そう長い時間をかけられないのだ。ただぼくは韓国側に最大限の礼を持って接し、また元慰安婦個々人の心の傷が癒されたとて、はたして日韓友好につながるかはわからないと思う。日本も韓国も、民間レベルの反日反韓感情が暴走しており、それを統制するのは不可能に近いのではないかという気もする。2015/09/27

mustache

2
日本の保守派も河野談話には当初それほど反対しなかったということを本書で初めて知った。左翼的勢力がどのようなリアリズムを通じて理想を守ることができるか、深く考えさせられた。2018/09/22

@matsu

1
とても刺激的な本だった。左派に分類される考え方だけど、どう右派と「妥協」を探るのか。朝鮮半島の日本軍「慰安婦」問題に絞って、どう元慰安婦の人の気持に答えていくのか、どう韓国との断絶を回復していくのか考えさせられる。慰安婦問題自体が「なかった」という人はほとんどいなくて(ネトウヨくらいか)、軍の命令文書があったかどうか、法的補償ができるかどうかに限って左派が「妥協」できるところはあるのではないかという提起。聞こえの悪い「妥協」という言葉を使うが、一刻も早い解決を考えてのこと。概ね納得。展望がある。2015/08/19

百式改(公論サポーター東海)

1
まさか元共産党員から落としどころを探す提言が出るとは。 ただ、ここまで拗れさせた元凶は慰安婦狩りをしたと言うデマで、そんなことは無かったと判明した時点で非を認め、それでも騙された元慰安婦に対する謝罪と補償は必要と言う事を訴えていたなら日本国内でここまで拗れることは無かったと思う。 体制を攻撃するための道具として利用しているとしか見えない物が多すぎる。2015/08/18

JW

0
慰安婦関係の本は割と読んでいる方だと思っているが,いろいろと新しい視点を提供してくれて面白い.慰安婦問題についての知識をつけるというよりも,その問題に対する考え方を提示してくれる本.補償の問題についても,戦時中のイギリスの捕虜虐待に関する日本の「補償」のやりかた等,恥ずかしながら知らなかった情報もあり.ただ,最後の補論はいらないかな.2015/05/29

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