裏が、幸せ。

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093884105
  • NDC分類 291.09
  • Cコード C0095

出版社内容情報

控え目でも強い光を放つ日本海側の魅力満載

常に時代を先取りする話題作を刊行してきた酒井順子氏が、”控え目だけれども鋭い光を放つ”日本海側の魅力を存分に伝えるエッセイ。
経済発展=幸福と、太平洋側を「表」として走ってきた日本ですが、とくに東日本大震災以降、その構図はくずれつつあります。経済至上主義によって、私たちは、日本人にとって大切なものをたくさん失ってきたのではないかということに、多くの人が気づき始めています。
そして、その開発の手を逃れて、ひっそりとマイペースで生きてきた日本海側=「裏」には、裏だからこその日本の大切なもの=「幸せ」が、たくさん詰まっていることに、日本中を何度も旅してきた著者は魅了されました。
都道府県別幸福度ランキングでは、トップ3は福井、富山、石川の北陸三県。富山にある世界一のスタバ、日本海が必須の演歌、美人が多い秘密、谷崎潤一郎、水上勉、泉鏡花、川端康成が描いた「裏」、顔を隠す盆踊り、金箔のほとんどを生産する金沢…などなど 「裏の宝もの」が満載。北陸新幹線の開業もあって大注目の日本海側。その良さを堪能できて、「幸せ」を求めて旅に出たくなるエッセイです。


【編集担当からのおすすめ情報】
「深くやさしくしっとりとした、日本の中の「裏」が抱く「陰」。それは日本に住むすべての人達にとっての貴重な財産なのであり、私たちがこれから必要とするものは、そんな陰の中にこそ、あるような気がするのですから」
と酒井さんは文中で語っています。私たちが住む日本は、どんな国であってほしいのか、そして私たちはどんな旅をしたいのかを考えるきっかけになる本だと思います。

内容説明

これからの日本で輝くのは「控えめだけれど、豊かで強靱な」日本海側です。「裏」の魅力満載の、現代版『陰翳礼讃』。

目次

陰翳―闇に浮かぶ金沢の金箔、能登の漆
民藝―鳥取と新潟の名プロデューサー
演歌―なまり色の日本海ソング
仏教―浄土真宗と一向一揆
神道―「裏」の大社、「表」の神宮
美人(日本海側美人一県おき説;越後と出雲、最強美女伝)
流刑―佐渡と隠岐、流されるロマン
盆踊り―顔を隠すエロティシズム
文学(「表」の男と「裏」の女の物語『雪国』;泉鏡花と金沢;水上勉における不幸の利用)
田中角栄―新潟のポップの日本改造
鉄道1―北前船、ローカル鉄道、北陸新幹線
鉄道2―陽から陰へ、陰から陽へ
幸福―軒並み「日本でいちばんいい県」
原発―水上勉が憂いた「過剰文明」
金沢―暗い空に照り映える色彩
観光―陰があるからこそ光がある

著者等紹介

酒井順子[サカイジュンコ]
1966年東京都生まれ。高校在学中に雑誌『オリーブ』にコラムを執筆。立教大学社会学部観光学科卒業後広告代理店勤務。その後執筆業に専念。2004年『負け犬の遠吠え』で講談社エッセイ賞、婦人公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

172
私はいい本だと思います。表紙にも今までにはない逆の方向から見た日本地図が掲載されています。それでも矢張り苦言を物申したいのは矢張り東京や表日本に住んでいる人が斜め上から見た視点でかかれているのが垣間見えることなのです。普段から裏日本に住んでいる方が書くともう少し深堀をしてくれるのではないかと思われます。そういった堅苦しいことは抜きにして読むと私の好きな「風の盆恋歌」にからむ八尾のことや谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」のような観点から書かれているのでかなり楽しめました。2017/04/05

あすなろ

100
のっけから関係ないこと…。酒井順子さんに恋してしまったようである。本作一作で。彼女と一緒に旅したいと想う程、思考、特に知的好奇心がパチッと合った。本作は、裏日本の裏性の礼賛をしている作。エッセイをあまり読まない僕だけど、追うとなるとトコトン追う。彼女の作は追うと思う。岐阜は北陸に近い。本作を読みながら、雪降る中の列車で、五木寛之・水上勉氏の作品を手に、ウォークマンに石川さゆりの演歌を携えて旅をしたいと思った。本作の感想少ないが、何せ感性にピタリとキタため、ご容赦を。本作、取り敢えず購入し、手元に置きます。2015/09/27

takaC

84
それが狙いなんだろうけどうらぶれた感じひしひし。うらぶれるのうらは裏じゃなかったかもしれないけど。2016/08/12

けんとまん1007

68
裏日本という言葉、確かに、目にしなくなったように思う。この本に出合うまで気づかなった。そんな裏日本の住民の一人でもある。富山に生まれ、学生時代は新潟で過ごし、仕事で石川・福井はよく行った。昨年は、仕事と旅行で鳥取へ、旅行で島根は行った。書かれていることを眼にして、なるほど・・・そうそうそうなんだよね~と思うことも多い。そんな自分は、今の住まいが居心地が良い。雪は多い。でも、それを補って余りあるものを感じているからだろう。2025/02/16

美登利

68
酒井さんが昔は太平洋側を表日本、日本海側を裏日本と言っていたことから、北陸地方が多いですが、日本海側独自の特色について語る一冊です。様々なテーマに分かれていて、その土地出身の作家の作品などを絡めて紹介しているところもとても斬新。新潟県に行って初めて日本海を見たのが30歳を過ぎてからの私は、それが一度だけで海水浴場で夏だったのもあり、この本に出てくる演歌な海は経験したことがなく、北陸三県の位置の把握も危ういところ。だけどそんな私でもしみじみと良書だと感じました。表紙が地図の南北を逆さにしてあるのがミソ。2015/03/21

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