「ドラえもん」への感謝状

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093883795
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0095

出版社内容情報

アニメ「ドラえもん」を始めた男の痛快自伝

「ドラえもん」「パーマン」をはじめ数々のヒット作を世に送り出してきたアニメ制作会社「シンエイ動画」の元社長で現名誉会長の楠部三吉郎氏の痛快自伝。低視聴率で一度打ち切られたテレビアニメ「ドラえもん」を復活させた交渉術、映画「ドラえもん」の誕生秘話、天才作家、藤子・F・不二雄先生の心に残る思い出など、揺籃期のアニメ業界を生き抜いた経営者が見た「もうひとつの日本アニメ史」。これまで明かされることのなかった舞台裏と、セールスマンに徹した男の破天荒な生き様と独特の人生哲学が綴られた「銀座のさんちゃん」一代記。
「稀代のガキ大将か、風雲児か。アニメを変えた男の、痛快な人生がここにある」(作家・北方謙三)。
「楠部さんがアニメーションの世界の最前線にいた頃は、日本経済はもちろん、出版界も今よりはるかに威勢がよかった。だがその威勢をもたらしたのは、きっと楠部さんのような男がいっぱいいたからなのだ。スケベと根性に”ど”がつくくらい、格好いい男たちが。」(作家・大沢在昌)

【編集担当からのおすすめ情報】
これまで語られることのなかったアニメ「ドラえもん」の復活をめぐる知られざるドラマや藤子・F・不二雄先生ほか天才クリエーターたちのエピソードが初めて明かされた貴重な一冊です。

内容説明

アニメ「ドラえもん」を始めた男。アニメ誕生35年目に初めて明かされた舞台裏。「銀座のさんちゃん」が心から贈る最初で最後の感謝状。

目次

第1章 ボクにあずけてください―アニメ『ドラえもん』誕生前夜
第2章 銀行脅すにゃハジキはいらぬ―アニメ『ドラえもん』スタート
第3章 ピー助の続きが読みたい!―『ドラえもん』映画秘話
第4章 義理と人情とセールスと―アニメ業界に入るまで
第5章 ビス1本のプライドを胸に―営業マンからアニメの世界へ
第6章 ドラえもんは自分の子ども―アニメ『ドラえもん』の未来

著者等紹介

楠部三吉郎[クスベサンキチロウ]
1938年1月1日、旧満州国生まれ。群馬県沼田市育ち。父は俳人の楠部南崖。明治学院大学経済学部卒業後、営業マンを経て、東京ムービー入社。アニメーターの兄・楠部大吉郎と共に1976年アニメーション企画制作会社・シンエイ動画株式会社を設立。数々のヒットを飛ばす。1990年に同社代表取締役就任。会長を経て、現在は名誉会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

いちろく

35
アニメ版ドラえもんやクレヨンしんちゃんを制作しているシンエイ動画の名誉会長の著書。ドラえもんの作者である藤本先生との交流の内容と自叙伝に近い内容の2部構成。作品と視聴者である子供達の為に筋を通す大人の世界の内容でもあり、単なる良い本では無い所が魅力。日テレ版ドラえもんが打ち切りとは知らなかった。作品を出戻りと嘆き、次にアニメとして世に出す時にかける藤本先生の熱い気持ちが痛い程伝わる。だからこそ、その思いを汲んだ人達が創るテレ朝版ドラえもんは、今も多くの人に受け入れられ愛され続けているのかもしれない。2018/08/18

たくのみ

12
アニメの創世記のテレビ局、制作会社、権利者、原作者のやり取りが面白い。「浪花節」「義理と人情」昭和の「男の意地の張り合い」やっぱりそうなんだ。ドラえもんの再アニメ化に高畑勲さんが書いた企画書、「ジャングル黒べえ」の原案を宮崎駿と練った日々、梶原一騎にたてついて、主題歌をスタッフ名義で書いた「侍ジャイアンツ」、アニメ名作の裏話が、また楽しい。そして、藤本弘先生との公私にわたる交流。男気と人情があったからこそ、ドラえもんもシンちゃんもある。ハードな声優交替も、この人がいたからできたのだと激しく納得できました。2015/03/02

nob

9
ドラえもんのアニメ実現のために奔走した、シンエイ動画元会長の自伝。藤子F先生とのエピソードが熱い。先生も、この人ならドラえもんを「嫁入り」させていい、と思ったに違いない。テレビ局相手の交渉で、正論を堂々と主張できたのも、作品に絶対の自信があったからこそ。ドラえもんのアニメ化に、高畑勲が一役買っていたなんて意外。2018/09/24

naka-m

8
ドラえもんのアニメ化に携わった制作会社社長による裏話。藤本先生のお人柄がよく伝わってきます。それだけでも読む価値はあり。楠部さんは義理人情・筋を大事にされてるすごく豪快で男気のある方という印象。あまり豪快すぎるのもいいところ悪いところあるような。2015/02/03

富士さん

5
一時業界をけん引しても、10年もすれば見る影もないスタジオがある中、一定の存在感を示し続けるのは極めて難しいことだと思います。それを成し遂げているのだから、何かあるだろうと思っていましたが、本書を読んで不思議と腑に落ちました。特に職人仕事を売るセールスマンという自己規定が振るっています。芸術家気取りのオナニーショーとは、現実認識の次元が違う。本書は、70、80年代のテレビ企画の決定過程や資金負担と権利分配の実情をとても具体的に記録した貴重な証言でもあり、アニメ史の資料としても高い価値があると思います。2022/11/30

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