ミラノの太陽、シチリアの月

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093882798
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

在伊30年の著者が描く驚きの人生の数々!

2011年に『ジーノの家』(文藝春秋)で第五十九回日本エッセイスト・クラブ賞、第二十七回講談社エッセイ賞を同時受賞した著者の授賞第一作です。イタリアに30年以上生活し、旅行者ではなく生活者として見つめてきた著者が、風土、社会、人々、食を、精緻な筆で切り取った深く滋味のある随筆集です。イタリア在住随筆家としてあまりにも著名な須賀敦子(元上智大学教授 98年没)の再来との呼び声も高い、在ミラノ作家の代表作ともいうべき作品です。。
内容として、すべて書き下ろし10作品で構成しています。いずれも著者が体験した事実をもとに巧みな筆致で1話ごとに驚くような結末が読者を待っています。カフェで知り合った大学教授から自宅を半分にするから買わないかと誘われる『ミラノで買った箱』。リグリア地方の田舎駅の駅員を襲った悲劇の事故と温情のドラマ『鉄道員オズワルド』。たまたま知り合った青年の結婚式に招かれて彼の郷里のシチリア島に渡ってみると想像もできなかった光景に遭遇する『シチリアの月と花嫁』。冬の海辺のホテルで出会った老いたロシア皇女が語った波乱の人生『ロシア皇女とバレエダンサー』ほか。



ミラノで買った箱
ヴェルディアーナが守りたかったもの
鉄道員オズワルド
六階の足音
ロシア皇女とバレエダンサー
ブルーノが見た夢
鏡の中のナポリ
祝宴は田舎で
海の狼
シチリアの月と花嫁

内容説明

イタリアに生きる人々の「光と陰」を精緻な筆で描いたあまりにもドラマティックな10話。深い感動と読み応えの傑作随筆集。

目次

ミラノで買った箱
ヴェルディアーナが守りたかったもの
鉄道員オズワルド
六階の足音
ロシア皇女とバレエダンサー
ブルーノが見た夢
鏡の中のナポリ
祝宴は田舎で
海の狼
シチリアの月と花嫁

著者等紹介

内田洋子[ウチダヨウコ]
エッセイスト。1959年神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業。Uno Associates Inc.代表。2011年『ジーノの家 イタリア10景』で「日本エッセイスト・クラブ賞」、「講談社エッセイ賞」を同時受賞。現在イタリア・ミラノ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

358
エッセイのつもりで読み始めたのだが、ここに収録された10篇はまぎれもなく短篇小説である。しかも、すこぶるに上質な。題材そのものは、著者の体験に基づいてはいるのだろうが、そこに幾分かのフィクションが揺曳するようだ。しかし、何よりも見事なのは、その構成の妙だ。そして、イタリアとはいうものの、風土も人もそれぞれに個性の際立つミラノであり、リグーリアであり、シチリアが描き出される。ロシア皇女の、またナポリの邸宅の女主人の何という濃密な人生。そして、それらの人々と巡り合う内田洋子さんの秘められた力と抑制された文体!2016/11/04

どんぐり

74
内田さんのイタリアをめぐるエッセイ全10話。テラスから望む風景が気に入り購入したアパートの改装工事を行う「ミラノで買った箱」、その上階の「六階の足音」の持ち主イーダとアパートの住人たち。ミラノからトリノ、ナポリ、シチリアへ山と海の風景に描き込まれた人間模様はエッセイというより、もはや物語の世界だ。なかでも、駅舎に住む「鉄道員オズワルド」の話がいい。2019/04/01

emi

63
こんなイタリアを、暮らすように旅したい。読友さん推薦の、著者から見た市井のイタリアの暮らしのエッセイは、とても品良く、だけど嫌味のない心地よさで、読み終えてしまうのがもったいないと思ったほど。うーんこの人はすごく好きだなぁ。なんというか絶妙なバランスの良さの文章。ちゃんと読み手に想像させるし、何度も胸を打つ。私の知ってるガイドブック的イタリアではなく、きっとこっちが地に足のついた姿。だけど、どっちが好きかと聞かれたら、悲喜交々のこちらが好きだと答える。各章のタイトルまで素敵な心掴まれる素晴らしいエッセイ2016/11/21

さとか

32
ミラノとシチリアに生きる人々の、それぞれの人生の「光と陰」を描いた随筆集。ミラノは寒くていつも曇り空、対するシチリアは太陽あふれる温暖な地域…そこを作者は自由に転居を繰り返しながら、周囲の人々と交流してゆく。 短期間の旅では分からない、一歩踏み込んだ彼らの日常に見たものとは。 どのお話もとても読み応えがあり、甲乙つけ難い。 読み終わると、イタリアに行きたくなること間違いなし。 こういう系で、日本版もあったら楽しそう。2020/10/03

白玉あずき

29
絶賛推奨大当たり。読みはじめて直ぐに筆者の破天荒な行動力に度肝を抜かれ、悪代官もどきやらワルの越後屋を思い出して苦い笑いを誘われたところに、がらりと変わって人の怖さがにじむ第2作。イタリア紀行として楽しめる上に、この豊かな人間模様。どの作品も、筆者の「人間大好き」「イタリアの自然大好き」が滲み出ており、達者な情景描写にも引き込まれて夢中で読めます。今まで内田さんを知らなかったのは残念至極。これからどんどん知り合いに布教します。こりゃええわー。2016/12/07

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