さわり

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093882156
  • NDC分類 768.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

日本が誇る不世出の男装の天才琵琶師が蘇る

2010年、第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品。昭和42年、ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団創立125年記念公演で、小澤征爾らとともに、武満徹作曲の名曲『ノヴェンバー・ステップス』を琵琶のソリストとして演奏。その高い音楽性は世界的に評価されたものの、日本ではほとんど知られていない不世出の女流琵琶師・鶴田錦史の数奇な人生を綴ったノンフィクション。音楽家としての顔だけでなく、ナイトクラブの経営などで成功した実業家としての顔を持ち、大正、昭和、平成を駆け抜けていく人生は波瀾万丈そのもの。そのなかで、女として愛に破れ、子供を捨て、男装して生きるという謎に満ちた鶴田の生涯を、10年以上にわたって取材を続けた著者が丹念に描く。

佐宮 圭[サミヤ ケイ]
著・文・その他

内容説明

女として愛に破れ、子らを捨て、男として運命を組み伏せた天才琵琶師「鶴田錦史」、その数奇な人生。第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作。

目次

序章 “日本の音”で世界を震わせた夜(昭和四十二年十一月九日)
第1章 名声はジャンル、国境を越えて(昭和四十二年~平成七年)
第2章 辺境に生まれた闘う天才少女(明治四十年~昭和四年)
第3章 生涯のライバル 美少女「富美」(明治四十四年~昭和六年)
第4章 夫、子ども、琵琶までも捨てた日(昭和六年~昭和二十年)
第5章 焼け跡から成り上がった男装の実業家(昭和十六年~昭和三十二年)
第6章 復活!琵琶の新たな地平を拓く(昭和二十九年~昭和三十九年)
第7章 伝説のはじまり 武満、小澤、横山との出会い(昭和三十九年~昭和四十二年)
第8章 そして琵琶は生き続ける(昭和四十一年~平成二十三年)

著者等紹介

佐宮圭[サミヤケイ]
1964年、兵庫県尼崎市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、様々な職歴を経て、1993年、フリーライターとなる。学研『大人の科学マガジン』などでサイエンス・ライターとして、日経BP社『日経ビジネス』、日本経済新聞社『日本経済新聞電子版』などでビジネス・ライターとして活躍し、現在に至る。2010年に『鶴田錦史伝―大正、昭和、平成を駆け抜けた男装の天才女流琵琶師の生涯』で第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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松本直哉

16
武満徹のノヴェンバー・ステップスの初演をした琵琶奏者鶴田錦史の伝記。結婚して二人の子を産みながら女性としての人生を捨て、琵琶からも離れて男装の実業家として歩む半生は小説より面白い。題名の「さわり」は琵琶を弾く時に楽器の一部に触れて鳴る音で、西洋音楽の耳には雑音にしか聴こえないその音に、日本人は特有の美を見出してきた。女性の生理の意味にもなり障害をも意味するこの言葉は、ある種の痛みや軋轢を通して初めて命ある美しいものの片鱗を垣間見ることができるという日本人の世界観を象徴する言葉なのかもしれない。2016/10/30

motoshi

2
かつて琵琶がこんなに熱狂的なブームがあったとは知りませんでした。すっかり過去のものという印象だった琵琶の世界にこんなドラマがあったのかと驚きました。それにしても鶴田錦史という一度は女を捨て琵琶も捨て実業で財を成した主人公の生き様は凄まじくも美しい。2012/01/27

メルセ・ひすい

2
15-101 S.42 リンカーンセンター小澤征爾指揮 32歳の尺八・横山勝也 作曲37歳の武満徹 鶴田錦史は56歳鶴田は化粧室で四方に手を合わせた… 平成23年、鶴田錦史は生誕100年 17回忌 4/4、現在の琵琶界を牽引する直弟子たちと、第一線で活躍する2~30歳代の孫弟子たちが、千葉県松戸市の八柱霊園内の墓に集った。みごとな桜がさいていた。 女として愛に破れ、子らを捨て、男として運命を組み伏せた琵琶師・鶴田錦史の数奇な人生を綴ったノンフィクション。日本が誇る不世出の男装の天才琵琶師が蘇る。小学館大賞2011/12/03

Aki Hamada

1
琵琶演奏家・鶴田錦史の生涯。 武満徹『ノヴェンバー・ステップス』初演。 女性を捨て去り、琵琶を捨て去り、その過程が結果的に新たな琵琶楽の存続を創り出す。 鶴田の一生と共に、琵琶楽の変遷も知ることができる。 すぐさま琵琶の演奏が聴きたくなる(すぐに動画を観た)2020/06/10

kentaro mori

1
「鶴田錦史は、前半生で三つの生き方を捨てた。 一つは「母」としての人生。 二つめは「音楽家」としての人生。 三つめは「女」としての人生。 しかし、彼女は捨て去った三つの人生のうちの一つだけ取り戻した。 音楽家としての人生だった。」2018/01/06

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