黄色い虫―船山馨と妻・春子の生涯

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093881234
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「石狩平野」などで知られる昭和の作家・船山馨と妻・春子。夫婦ともにヒロポンに溺れた地獄のような日々から、晩年の作家としての復活までを、春子の日記と縁の人々の証言をもとに描いた本格ノンフィクション。

内容説明

昭和23年、急逝した太宰治のピンチヒッターに立った船山馨は、準備期間のない新聞連載の執筆に心身とも消耗し、ヒロポンに溺れていった。やがて妻・春子も追うように中毒になり、なりふりかまわず借金を重ね薬物を買い漁った。同じ幻覚を見ながら、奇行を繰り返すふたり。懇意にしていた林芙美子の死をきっかけにヒロポンを断つが、馨の作家としての評価は地に堕ちた。しかし、春子は夫の復活を信じて、家族を守るために奔走する―薬物中毒、借金地獄、激動の時代を破天荒に生きた作家とその妻の壮絶な人生を描いたノンフィクション。

目次

第1章 狂乱の家
第2章 だまし討ち
第3章 泪
第4章 水の音
エピローグ 二頭の蝶

著者等紹介

由井りょう子[ユイリョウコ]
1947年12月、長野県生まれ。大学在学中から雑誌記者の仕事をはじめ、主に女性誌で働く。構成作家としてラジオ番組にも参加している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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まーみーよー

18
作家船山馨と妻春子の生涯。作家として軌道に乗り始めた船山の人生が狂ったのは、太宰の自殺。太宰の死により新聞小説の順番が繰り上がり、構想も不十分なまま不眠不休で執筆を続ける。その苦しみから当時合法だったヒロポンに手を出す。馨の才能に心底惚れ込んでる春子は公私に渡り支えるため自分もヒロポンを打ち境遇を共有する。まあ、春子がパワフルかつ強烈、激しいのだ。依存症を克服しても文壇からそっぽを向かれた不遇の時代は借金に奔走、ようやく「石狩平野」で文壇に返り咲いた馨を支え続け、介護の末に夫婦同日心不全で亡くなる。壮絶。2021/09/07

のぶちゃん

1
唯々疲れ切って読みました。こんな生き方ッてあるのですね。2012/07/21

ひねもすのたり

1
春子さんのワイルドさにドキモを抜かれました。NHKのテレビ小説でドラマ化して欲しい!タイトルは「ひろぽんの女房」(笑)船山馨は過去の作家かもしれないけど、周囲を取り巻く作家からその人物像を浮かび上がらせる手法は巧みだと感じました。2011/01/13

おふく

1
太宰治のピンチヒッターで急遽執筆に勤しむが不安と恐怖に勝ためにヒロポンに手を出す船山肇それを支えた妻春子。共にヒロポンに頼りおぼれていくが林芙美子の死と共に断つことができるが、執筆も断たれる。同じ日に同じ病気で死んだ夫婦。妻春子の日記をもとに書かれたもの。2010/12/09

あきこ

0
「ヒロポンに溺れた夫婦」というところに興味がひかれ読んでみたのですが、その辺りはこの作品全体を通してはあまり深く描かれてないような気がします。これも人生のひとつの通過点としての扱いでしたので、期待をしていた者としては少々がっかりです。次は「石狩平野」を読んで、作家としての船山馨に触れてみようかと思います。2013/09/25

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