内容説明
この場所から夜に向かって放たれる電波の先で、無数の人々が耳を傾けている…駆け出し放送作家が、ラジオの世界で出会ったさまざまな個性的人物。海千山千のディレクターにしごかれ、売れっ子アイドルたちと仕事をし、深夜の「アニメ特番」で盛り上がり、そして…。ラジオがいきいきと輝いていたあの時代の空気をヴィヴィッドに伝える「80年代ラジオ・グラフィティ」。
目次
1 場違いの日々
2 振り子の日々
3 ドラマの日々
4 アイドルの日々
5 特番の日々
6 始まりの終わり
エンディング
著者等紹介
藤井青銅[フジイセイドウ]
「星新一ショートショートコンテスト」出身の作家、放送作家、エッセイスト。「夜のドラマハウス」「オールナイトニッポン」をはじめ、ラジオ・テレビで幅広く活躍。「ヴァーチャルアイドル・芳賀ゆい」を創ったり、腹話術師「いっこく堂」をプロデュースしたりと、活動範囲は広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
13
ラジオドラマの作者として見かけた著者の名前にひかれて読了。話を作るとはどんな作業なのか、試行錯誤で、それでも多数の作品を生み出していった過程を、まるでリアルタイムのように描いていく。「そしてどうなった?」という興味いっぱいで、速すぎてもったいないようなスピードで読めた。今は割と静かなメディアかもしれないが、ラジオの熱気ある時代の空気は、実におもしろい。2014/01/15
Norikko
5
自分がちょうどラジオを聴かなくなり始めた頃からの話だったが、もっと聴いてれば良かったと思える話がズラリで驚いた。登場する人達の組み合わせも夢のようでオドロキだが、ご本人が謙虚な感じで、これまたスゴイと思いました。2020/01/03
たくのみ
5
1980年代に大ブームだったラジオドラマ。その制作の裏側を、シナリオコンテスト出身の藤井さんが振り返る自伝的小説。ヒット曲をもとにショートショートのミニドラマを人気声優が演じるニッポン放送の「夜のドラマハウス」。聞いてました。ヤマト関連ドラマから、声優ブーム、聖子ちゃんのアイドル番組、時代を彩った数々の番組を送り出した人たちの熱い奮闘が伝わる。保存されていたドラマのテープ(オープンリール)が、ごみとして処分されるくだりは悲しい。2013/03/10
ヒポかーさん
4
星新一のショートショートのコンテストをきっかけに、放送作家の道へと進んでいく著者の自叙伝のような私小説(?)。放送作家とはどのような事をしているのか、ラジオというメディアで番組づくりをしていく様子が垣間見え、普段ラジオのヘビーリスナーである私にとっては、大変興味深く読むことができた。自分たちと同じ素人目線で描かれているので、大変読みやすかったです。2011/01/11
最終バック九番手
3
「ラジオの教科書」より一世代あとの放送作家のノンフィクション…関西のキー局や地方局の人の本も読んでみたいんだがどうしても東京偏重になっているのは残念なことだ…初版第1刷発行:2007年4月15日…本体1600円2010/04/17