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野の風

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  • サイズ B6判/ページ数 108p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093876513
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

壊れかけた家族に、やさしい風が吹く。…親父、鳥になれるといいな。もう、助からない父の枕元で、男は胸に呟いた。

著者等紹介

辻内智貴[ツジウチトモキ]
1956年、福岡県出身。ミュージシャン活動などを経て2000年、「多輝子ちゃん」で太宰治賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

66
文庫で読了。底に「人は良いもんだ」という作者の眼差しが感じられる短編集。父が脳死状態になり故郷に帰る主人公。商社で派閥争いに否応なく巻き込まれ大切に思う者にまで優しくなれない毎日を過ごしていた彼が故郷の風の中でスイッチが切り替わる瞬間を感じる。心を閉ざしていた息子の笑顔が未来を語る。【野の風】亡くなった夫を可愛がってくれた人に一言お礼が言いたくて訪れた夫の故郷。【帰郷】夫の教え子に自身の来し方をかたる老女【花】最後の一編は如何にも作者らしい。【愚者一燈 1995•夏】大きく深呼吸をしたような読後感。2014/07/15

ちゃんみー

44
初読み作家さんです。読みやすかったです。仕事一筋に生きてちゃダメなんだぞ!そんなことしてたら家族がバラバラになっちゃうぞ!と死の間際のお父さんから教えられたってことなんでしょうか。仕事バカの私への教訓だと受け取っておきます。2014/07/27

ゆみねこ

42
若くして会社での地位を得た勇一は、いつしか家庭がバラバラになっていることにも気付かずにいた。広島に住む父の危篤の連絡を受け、一家3人で駆けつけ、家族が再生して行く。父が最期に教えてくれたのは、家族の大切さなのでしょうね。読友さんの感想から、いい本でした。2014/08/05

miyumiyu

22
辻内さんの文章はとにかく優しくて、心を打つ。危篤の父の姿と反比例して人間らしく元気になっていく幼い息子。鳥を助けようとして倒れた父…。辻内さんの「何のために生きるのか」「何が一番大切なのか」の問い掛けに、またもや考えさせられた。とてもよかった。「ラストシネマ」の次に好きな作品です。2013/03/12

こぶたとともに@こぶrin☆永遠の17歳

17
【図書館】若くして大手商社食品部長に登り詰めた、敏腕ビジネスマンの勇一。仕事の順調さとは対照的に、妻子との関係に悩みを抱える。父親の危篤を契機に故郷の広島で過ごすことになり、これまでの人生を回想し、父の偉大さを再確認し、植物状態の父の実情と向き合い、妻子との絆を少しずつ取り戻す。サラッとした短編だけど、日常に追われてると気づき得ない、人として本当に大切なこととは何か、生きることの目的・意義はどこにあるのか、自らの生き様を決していく基準はどこにあるべきか、を問いかける感動作。2013/10/27

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