出版社内容情報
人と組織を変え成功に導く、名将の野球哲学
ヤクルト、阪神、そして社会人野球のシダックスの監督として、選手の育成、チームの改革を果たしてきた野村監督。その指導力は誰もが認めるところですが、選手の指導にあたり、みずから記した『ノムラの考へ』を基にしているのは、球界では有名な話です。本書はその『ノムラの考へ』をベースとして、具体的な試合や選手の例を挙げながら、配球術から采配、選手の育成法など、多岐にわたって解説、指導者のあり方を説いていきます。ヤクルト・古田と巨人・阿部の違いとは? 清原の打撃に抱く疑問とは? 西武・松坂が打ち込まれる理由とは? 阪神・遠山が松井を抑えられた理由とは? ―野球ファンには野球の奥義が、サラリーマンには管理者として部下を指導する際の心得が学べる1冊です。
内容説明
名将・野村はダメ集団をいかにリセットし、勝者へと再生したのか。吉井や遠山を生き返らせたシュート習得と内角球論。ヤクルト・古田と巨人・阿部はリードの優先順位が正反対。1番は今岡より赤星。敵が嫌がる打順の組み方。イチローを封じた日本シリーズでの心理戦etc.―「指導者はかくあるべき」刮目の書。
目次
1章 意識改革で組織は変わる
2章 管理、指導は経験がベースとなる
3章 指揮官の最初の仕事は戦力分析にある
4章 才能は学から生まれる
5章 中心なき組織は機能しない
6章 組織はリーダーの力量以上には伸びない
7章 指揮官の重要な仕事は人づくりである
8章 人間学のない者に指導者の資格なし
終章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
325
この本を読むと今までの著者の野球論がすべて詰まっていたように思った。確かに現役時代に考えて野球していない選手と言われる人はいずれも引退して消えていったように感じる。逆に考えて野球している人は指導者になっても、コメンテーターでも解説出来るんだろうなと思った。2016/06/25
Y2K☮
46
88年から野球を見始め、当初はヤクルトファンでした。なので著者は私の中で半ば神。ギャンブルダブルスチール、ランナー三塁のエンドラン、小早川の開幕戦三連発、全盛期の球威を失った遠山を再生してあの松井秀喜を完璧に封じるなど、ノムさんの野球は痛快だった。励まされた。弱者でもやり方次第で強者に勝てると教えてくれた。スコアラーから「穴が無い」と報告されたイチローに弱点を植え付けてオリックスとの日本シリーズに圧勝した件や過度に気難しい江夏や門田との接し方にも唸らされた。何かと思い悩む昨今、暫く神の言葉の厄介になろう。2016/08/09
再び読書
35
楽天の監督前までの野村氏の著書のまとめ。勝負事に望むには、孫子の兵法通り「彼(てき)を知り、己を知れば、百戦危うからず」という原理原則を忠実に実行していく。当たり前の事を実践しているだけと言えば、語弊があるが、野村氏の偉大な所は、それを後進に伝えていく事を惜しんでいない。実際の野村氏の教えを実践し、プロ野球の指導者として成功している人もいて、気づかされた事を感謝している。この本にも書かれていますが、もう少し謙虚にこの教えを受け継ぐ事が出来れば、古田も大成したと思われる。どんな社会でも役立つ内容。 2013/07/22
Y2K☮
34
2005年刊行。初読時と同じく野球の奥深さに驚きつつ、それ以外の人間教育に纏わる話の解像度が上がった。やはり名著は繰り返し読むべき。「分析」「観察」「洞察」「判断」「記憶」はあらゆる仕事に応用できそう。社会人野球の意義に関する話も印象に残った。いまどういうシステムになっているのか知らないけど、育てた選手がドラフトで指名された際は育成に要したお金を全額ではないにせよプロ側が払うのはいいアイデアだと思う。大型書店の従業員も本当は小さなチェーン店や町の本屋で何年か働かせてもらえば視野が広がり、成長もできるのだ。2025/04/21
とも
34
原理、原則に基づいて人を育てる。 リーダーは人間力を育てること。 野球も好きなので、楽しく読めた。 人の育て方がもう少し、詳しく分量もあると、もっと為になった。2020/11/23