出版社内容情報
般若心経は、短いお経のなかに深い教えをたたえています。ところが、その教義はなかなかに難しいのです。この本は般若心経の本質を分かり易く絵解きしたものです。著者は画家であり、お寺の副住職でもあります。
諸橋 精光[モロハシ セイコウ]
イラスト
著者等紹介
諸橋精光[モロハシセイコウ]
1954年、新潟県長岡市生まれ。創形美術学校造形科、大正大学仏教学部卒業。20代後半より仏教説話を中心とした絵本・超大型紙芝居の制作を始める。「ナムチンカラトラヤーヤー ねことおしょうさま」で2001プラティスラヴァ世界絵本原画ビエンナーレ出品。「えにかいたねこ」でボローニャ国際絵本原画展入選。第31回高橋五山賞、第29回正力松太郎賞など数々の賞を受ける。現在も、実家・千蔵院の副住職として寺務のかたわら、絵本・紙芝居・絵画の制作を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
56
こころが穏やかになり、潤いに満たされる思いがする1冊。ものの見方、考え方を見直すきっかけになる。広く、大きな視座を持てるか・・・いや、そうなるように自分を仕向けることだ。これは、生きるための哲学そのもののように思う。2022/02/23
井月 奎(いづき けい)
47
仏教は感覚的に科学的なアプローチを用いているところもあります。阿頼耶識は集合無意識、般若心経の有名なフレーズ、「色即是空 空即是色」は色々な解釈ができますが、フラクタル原理ととらえるのに無理は無いと思います。そういった楽しみもあるのですけれども、お経にはもっと汗くさい祈りとして、胸を打つものがあります。玄奘三蔵がインドから持ち帰り、翻訳してのちに海を渡り日本に来た。そこまでしてその教えを知りたい、残したいとする経なのです。そこまでするべきお経を身近にしてくれる秀逸な絵本です。素晴らしくてびっくりしますよ。2021/02/07
井月 奎(いづき けい)
46
わずか二百六十二文字であらわした般若心経は涅槃、菩提への誘いであり、羅針盤でありましょう。しかし難解です。どのようにも読めます。そこで絵本の登場です。かわいらしい絵でかんのん様が指南してくれます。一読、ひざを打つように理解した気にさせてくれますが、時間とともに難解さが蘇ってきます。でも、それでもいいのです。わかった、迷う、わかった、迷う。それを繰り返すのが人が仏に近づくための道中であるのでしょうから。あ、「ぎゃあていぎゃあていはらそうぎゃあていぼうじそわか」のところは見ものです。素晴らしいのです。2020/03/23
ヒラP@ehon.gohon
24
日ごろ意味不明に唱えている般若心経の世界を垣間見る事ができ、その奥深さと安らぎと壮大さに、心がひきしまりました。2021/06/16
spatz
18
特に信仰を持ってはいないが、大好きだった祖母がよく写経をしていた般若心経に興味をもち、素晴らしく読みやすくよい本、と友人に紹介された本。素敵な柔らかい絵と優しく語りかける言葉で般若心経が身近になった。実は枕元においてときおり読み返す。つらいときに救われ言葉にあふれている。信仰とかそういうことではなく、この思想は哲学なんだなと。般若心経に興味のある方にはとてもとてもおすすめの一冊です。2015/10/15