出版社内容情報
東北の地方都市で栄華を極め、朽ち果てていった父子三代の熱く滾る“血の物語”を礎にしたミステリー巨編。綿密な取材に基づく粘りのある文体、転調に次ぐ転調が巨大なうねりとなって読む者を瞠目のラストへと誘う。
バブル崩壊後の94年、日本海に面する東北の地方都市・岩館で大きな影響力を誇る川戸建設会長・川戸英太郎は、ゴルフ場開発に伴う巨額背任容疑事件の渦中にいた。さらに逮捕直前には、息子で社長の英介が自殺するという最悪の事態を迎えたが、英太郎は表情を変えることなく、嫌疑をすべて認め、裁判は淡々と進んでいった。刑に服し、すべてを失ってなお、心に平明を宿しているように見えた英太郎は、やがて静かに朽ちていった。しかし?。すべてが結末を迎えたに見えた02年冬、この事件を追っていた東日新聞記者・宮浦は、英太郎の死亡記事を地方紙の片隅に偶然見つけたことから驚くべき「真実」に突き当たる。転調に次ぐ転調のうねりが重厚な三代の血の物語を呼びさます。
内容説明
降りしきる雪。冬の日本海。転調に次ぐ転調が、父子三代・血の物語を呼び覚ます!新聞記者出身の新星が描く、熱く滾る人間ドラマ。
著者等紹介
荒木源[アラキゲン]
1964年生まれ。東京大学文学部卒。朝日新聞社社会部勤務などを経て96年退社。『骨ん中』がデビュー作になる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りちゃ
8
建設会社を営む一族の父子三代に渡る物語。父親が偉大すぎると息子は骨抜きに…。お金のあるところにはハイエナのような人間が集まってくる。愛情はしっかりと相手に伝わってこそ。2017/03/22
ろーれる
4
元新聞記者だから書けた小説!今の作風と違い硬派な本だった。2010/12/13
ひよ亭
2
ちょっと中だるみのような感じがしたけれど読むにつれ面白くなり ミステリー的なところも良かった。今まで読んだ作者の作品とは180度違って新鮮でした2011/06/26
てっちゃん
1
何か難しい本やった(((・・;)2011/12/08
聖月
1
◎表紙には雪の平原の写真。本を開くと冒頭に親子3代から4代に渡る家系図が目に入る。そして、書き出しが、親子3人で山へ分け入っての熊狩りの話。たまたま手元に雑誌での本書の広告記事があるのだが、コピーには"東北の地方都市で栄華を極め、朽ち果てていった父子三代の血の物語"などと謳われている。そんなところから、高村薫『晴子情歌』のような作品かなと思って読み始めた評者。全然違った。政治小説、経済小説の天婦羅粉を軽く塗して揚げたようなエビフライ…じゃなかった、ガチガチのミステリー作品である2003/11/20
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