手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)

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  • サイズ B6判/ページ数 109p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093873499
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

出版社内容情報

都市を疾走する歌人、穂村弘が9年ぶりに放つ書き下ろし歌集。キャバクラ嬢からウエイトレスをして暮らす女の子「まみ」の日常と切ない愛の祈りを、タカノ綾のキュートなイラストとともに鮮やかに現出させた問題作。

 異色の短歌入門書『短歌という爆弾』(小学館)で、「何者かでありたいあなた」の心に衝撃を与えた歌人、穂村弘が9年ぶりに放つ書き下ろし連作歌集。キャバクラ嬢やウエイトレスをして暮らす女の子「まみ」は、歌人「ほむらひろし」にせっせと手紙を書き送る。妹の「ゆゆ」や最愛のクロウサギとの、詩的でほわほわしていて乱れていてストイックな生活、まみとゆゆを巡る恋人や友達や隣人たち、そして切なくふるえるまみの心、愛、祈り。新鋭イラストレーター、タカノ綾のキュートでエロティックなイラスト20点とともに、ピュアで切なく危険で甘い「愛と永遠の希求」をハイテンションに書ききるこの歌集は、短歌というかたちをとった鋭利なナイフだ!

内容説明

鬼才穂村弘、9年ぶりの書き下ろし歌集。

目次

手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)
手紙魔まみ、天国の天気図
手紙魔まみ、アイ・ラヴ・エジソン
手紙魔まみ、完璧な心の平和
手紙魔まみ、キモチワルキレイ
手紙魔まみ、うれしい原材料たち
手紙魔まみ、みみずばれ
手紙魔まみ、ウエイトレス魂
手紙魔への手紙

著者等紹介

穂村弘[ホムラヒロシ]
歌人。1962年札幌生。上智大学文学部英文科卒。著書に歌集『シンジケート』『ドライドライアイス』(共に沖積舎)、短歌入門書『短歌という爆弾』(小学館)『短歌はプロに訊け!』(共著、本の雑誌社)、童話集『いじわるな天使から聞いた不思議な話』(大和書房)など『ボタン』(フレーベル館)他、絵本翻訳も多数

タカノ綾[タカノアヤ]
アーティスト。HIROPON FACTORY所属。2000年、多摩美術大学芸術学部卒。「TOKYO GIRLS BRAVO」展(表参道NADIFF & L.A.,silver lake George’sともに1999)で本格デビュー。その後「Hot Banana Fudge」展(表参道NADIFF/2000)。2001年、L.A.MOCA Galleryを皮切りにアメリカを巡展中の「Super Flat」展に参加。COMIC CUEにマンガを、PLAY BOY、sabra、X+、Bar‐f‐out!、ACOのプロモーションビデオ等にイラストを提供
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

444
エッセイストかと誤解されかねない穂村弘だが、「これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき」な歌集。部分的に引用したのは、歌集の冒頭に掲げられた歌。すなわち、歌人自身がここで「ほんかくてき」な歌集であることをマニフェストしているのである。タイトルからは連作歌集、もしくは物語的な流れを持ったものかと想像したのだが、必ずしもそうではない。冒頭歌のように、穂村らしい歌もあるが、かなり様々なスタイルの歌が収められている。私のベストは「整形前夜ノーマ・ジーンが泣きながら兎の尻に挿すアスピリン」。塚本邦雄を思わせる歌だ。2015/06/09

masa@レビューお休み中

128
あとがきで、これが大好きという人と、これだけは理解できない人に分かれると書いてあった。そして僕は考えてしまった。はたして、僕はどっちに分類されるのかと…。嫌いではない、でも大好きというわけでもない。でもでも、今までのほむほむの中で抜群の爆発力を持つ作品だとは感じた。これがまた、最近短歌なんかを詠みはじめたものだから、けちょんけちょんに凹んでしまったのだ。あまりにも飛び抜けていて、理解の範疇を超えていて、芸術が爆発したようにキラキラ輝いていて…。読めば読むほど、短歌というものがなんなのかわからなくなるのだ。2014/03/27

❁かな❁

95
お気に入りのほむほむ本を読むのは9作目!こちらは歌集!手紙魔のまみからのお手紙♪タカノ綾さんの絵がイメージにぴったりです☆ほむほむのあとがきを読み、そうなんだぁとわかります!ほむほむの感覚ってやっぱりスゴイ★『ボーリングの最高得点云いあって驚きあってねむりにおちる』『時間望遠鏡を覗けば抱きあって目を閉じているふたりがみえる』『星の夜ふたり毛布にくるまって近づいてくるピザの湯気を想う』『こんなにもふたりで空を見上げてる 生きてることがおいのりになる』『甘酒に雪とけてゆく なぜ笑ってるか何度も訊かれる夜に』2014/02/22

♪みどりpiyopiyo♪

79
目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき ■大好き。ほむほむの元に届いたまみからの手紙を数えてみたら、全部で591通ありました。鬼才穂村弘の歌集です。まみは私。まみはあなた。■「十二階かんむり売り場でございます」月のあかりの屋上に出る ■この子、すごく知ってるのです。ほわほわとして鮮やかで、ロマンチックで夢見がち。分からない所も沢山あるし、実際の行動などは決して似ては居ないのだけど、自分の中にも確かに住んでる、まみは私。■夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう2017/03/05

臨床心理士 いるかくん

69
伝統的かつ定型的な短歌を用い、特有の言語感覚でさりげない日常を魔術のように非日常的な空間にしてしまう、著者の短歌集。ほとばしるように縦横無尽に駆け巡る言葉に思わず頭がクラクラする。お薦め。2014/09/07

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