出版社内容情報
安政元年の日本ボクシングの創始から、明治・大正期の渡辺勇次郎、戦前のピストン堀口、戦後の白井義男、黄金期の原田・海老原らを経て、現在の辰吉丈一郎まで、各時代のヒーローの戦いと人生を描いた闘魂のリング史。
日本のプロボクシングは、昭和30年代の後半に、ファイティング原田や海老原博幸らが出現してから、その後約10年間、最盛期を迎えた。連日、各テレビ局では、ゴールデンタイムに実況中継があり、チャンピオンをめざしてジムの門を叩く青年は跡を絶たなかった。拳ひとつで栄光と富を獲得できるボクシングというスポーツにハングリーな若者たちは夢を託したのである。 そして昭和45年には、小林弘、沼田義明、西城正三、大場政夫、柴田国明と5人の世界チャンピオンを擁した。しかし、その後日本のボクシング熱は下向線をたどってきた。WBA・WBCの分裂やジュニアクラスの増設による権威のない世界チャンピオンの乱造もその原因の一つである。 しかし、近年、辰吉丈一郎に代表される新しい世代の王者が現れ、再び熱気をとり戻してきた。アイドル的なヒーローを熱望する若者や、また往時を懐かしむオールドファンは数多い。本書は、安政元年の日本ボクシングの起源から、平成の現在まで、栄枯盛衰のボクシング界の動きを背景に、時代を画した名選手を中心に据え、その戦いと人生の記録を物語風につづったボクシング史である。巻末に資料として「日本選手の世界タイトルマッチ全記録」を付けた。
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