出版社内容情報
哲学者としての思索と実践をふりかえりながら、著者独自の人生観、世界観を踏まえた深い洞察で、共生と循環を原理とする、21世紀に向けた新しい自然哲学を提唱する。
古代メソポタミアに、ギルガメシュ王が森の神フンババを殺す神話がある。ギルガメシュ王が森の神を殺害するというタブーを犯すことで文明を創造するという物語で、文明が森や自然を殺すことによって贖われる、ということを象徴した神話である。 哲学者・梅原猛氏は、ギリシア、エジプトの古代都市の廃墟にたたずみ、その壮麗な美しさに感動しながらも、都市文明が自然を滅ぼすことによって築かれ、森をつぎつぎと餌食にしてきた歴史におもいあたる。 都市文明を創造した人類は、確実に滅びる運命をたどっている。この悲劇をまぬがれるにはどうしたらよいのか。梅原猛氏は、日本人の古来の信仰や、アイヌ、インディオの信仰のなかにある、自然を神とし、自然とともに生きる思想こそ、21世紀以降へと人類が生き延びる知恵ではないか、すなわち、自然とともに「永劫循環」することこそが人類を救う哲学ではないか、と思索する。 本書は、人類が直面する問題に鋭く迫り、その解決策の糸口を提唱する希有な思索の書といえる。
内容説明
哲学者としての思索と実戦をふりかえりながら、著者独自の人生観、世界観を語る。また、人類文明史の誤謬を指摘し、21世紀文明を導く新しい哲学―共生と循環を原理とする自然哲学を提唱する。
目次
哲学と私
愚人の知恵に学べ―地球環境保全と日本の役割
文明史観を見直す―よみがえる長江文明
ギリシアで考えたこと
東北文化の可能性
日本人の心のふるさと
京の神と仏たち
日本を創った人・聖徳太子
人麿の生と死―水底の歌が聞こえる
実践の人・蓮如
日本文学の系譜柿本人麿から宮沢賢治まで
神道と仏教
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