室町を歩いた女たち

室町を歩いた女たち

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093871655
  • NDC分類 384.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

サブカルチャー全盛の室町時代、女は究極の自由を全身に浴び、強烈な個性をもって生と性を謳歌していた……そんな時代の雰囲気を、室町ことば満載で描く一冊。室町から平成へ贈る、温かなメッセージである。

 織田信長が尾張で鬱々とした青春を送っていたあの時代、女たちは平安時代とも江戸時代ともちがう、究極の自由と強烈な個性をもって、生と性を謳歌していた……。 考えてみれば室町時代は、能、狂言、歌謡、そして辻が花などのサブカルチャー花盛りのころ。胸がはだけるぐらいに着くずした寸たらずの小袖からは、膝と肘がにょっきり見えて、そんなコケティッシュというか見ようによっては異様な格好をした女たちが、 ひとり寝はするとも嘘な人はいやよ と男への想いを歌いながら大路を往来する、そういう時代の雰囲気を、じっくりしっとり聞かせる室町ことば満載で綴ったのが本書である。 出るわ出るわ、女の百相。暴力妻に、アル中妻。性的魅力で鬼を籠絡、宝を一人占めする若妻の話は、どこか身につまされる。 そうそう、落語のもとが生まれたのもこの時代。笑話の章では、艶っぽい話も続々登場。ちょっぴりスノッブな大人の猥談として、懐にしのばせておきたい。 しかし、全体を貫くこの透明感はなんだろう。著者は、絶望と隣り合わせにあった 救い ゆえなのだとする。 人を信じ、神仏を信じ、いつかめぐり逢えるだろう 縁 を信じた。そんな室町から平成へ向けての温かなメッセージとし

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

15
著者は研究者と作家という二足のわらじを履く人で、本書は作家としてのペンネームで出している。だが完全な創作ではなく、史料を元に室町の女性を語る上質の歴史エッセイ。狂言や小噺集、ヨーロッパ人宣教師の記録など、この時代の女性を活写した記録が意外に多いことにまず驚く。そして、彼女たちのエネルギーにも。自力救済を原則とする過酷な中世社会においては、女性といえども物理的な暴力から強固な意志に至る様々な「力」が求められた。やや著者の思い入れが先走り気味な感はあるが、非常に刺激的で面白い。2025/05/30

垣内美希

1
室町の女を羨ましいとかこうなりたいとかは思わなかったけど、縁の話しはいいなと思った。言葉遣いも楽しかった。2013/07/31

じゅりあ。

0
図書館本。2015/10/26

陽香

0
199602202012/04/24

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