出版社内容情報
かつて世界的ベストセラーになった『飛ぶのが怖い』から二十年。飛んでる女であるエリカ・ジョングが、若さを失って五十歳を迎える女性の不安やとまどいに、彼女自身の半生を回想しながら率直に素敵な回答をします。
著者は「五十歳になってわたしがまわりを見回すと、飛び込んでくるのは寄る年波と格闘する同じ世代の女たち……もはや自分が若くかわいい女でなくなったときに、一体どんな女になればいいかが、さっぱりわからない」と序文で記す。そして十二章では「五十歳を過ぎれば、わたしたちの人生は男のものではない。男社会にとってよりもわたしたちにとっての大切なものなのだ……ようやくそうなった」と実感を込めて語っている。かつて四回の結婚と三回の離婚を経験し、同時に数人の年若い恋人を持ったエリカが、五十を目前にして遭遇したのは、痴呆になった叔母の身元引き受け人としての自分、高齢出産で設けた一人娘との世代間の葛藤、母の彼女の才能に対する嫉妬などなどである。詩人であり作家であること、フェミニズムが台頭した70年代に『飛ぶのが怖い』を出版したために激しいバッシングを受けたこと、ユダヤ人の女性は二重に差別されていること、男性に対する想いも年とともに変遷してきたことなどを赤裸々に語る。同性に対し、女性が女性の足を引っ張るのは終りにしよう、団結して真の自由を勝ち取ろうと繰り返し呼び掛ける。過酷な魂の遍歴を辿ってきた著者は中年女性のモデルをめざす。