出版社内容情報
老人扶養、単身赴任、妻の蒸発、登校拒否など現代的問題をテーマにテレビドラマを作り続ける山田太一。著者の着目した家族劇に潜むトリックスター(いたずらの妖精)の本質を作品群を通して探る。
<目次>
一 家族は劇的である
1 《プロローグ》わが友トリックスターの肖像
2 家族のなかの見知らぬ他人
~「それぞれの秋」
3 母の変身 ~「岸辺のアルバム」
~「岸辺のアルバム」
4 変身願望
~ドラキュラとトリックスター
5 ホームドラマの革命
~日本のテレビドラマ小考
二 愛のトライアングル
1 優しい侵入者
~「午後の旅立ち」
2 たそがれの恋
~「夕暮れて」
3 西洋屋敷の住人
~「早春スケッチブック」
三 日常からの逃走
1 迷走する家族
~「沿線地図」
2 美しきものの映像
~小説「丘の上の向日葵」
四 さびしき銀は声もなし
─現代姨捨考
1 息子の死
~「今朝の秋」
2 言い忘れた愛のことば
~「ながらえば」
3 死出の旅して
~「冬構え」
五 美しきものとの出会い
1 ニューオリンズから来た男
~戯曲「日本の面影」
2 愛の反世界
~小説「飛ぶ夢をしばらく見ない」
六 もうひとりのトリックスター
内容説明
家族って、いったい何なのか。不倫の主婦則子(「岸辺のアルバム」)、病妻を恋うる老人隆吉(「ながらえば」)、日常から逃走する会社員孝平(「丘の上の向日葵」)…あのドラマの主人公たちが、いま甦る。
目次
1 家族は劇的である
2 愛のトライアングル
4 さびしき銀は声もなし
5 美しきものとの出会い
6 もうひとりのトリックスター