出版社内容情報
丘の上でよりそって立つ二本の木。季節が移り変わっても、どこにも行かず立ち続ける姿に、詩人の言葉が共鳴して生まれた写真絵本。木たちの会話が幸せのありかを教えてくれる。
著者等紹介
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。日本を代表する詩人として世界に知られている
姉崎一馬[アネザキカズマ]
1948年、東京に生まれる。学生時代より自然保護、環境問題に関心を持ち、自然写真家となる。1995年から山形県の朝日連峰山麓で、ボランティアによる子どものための自然体験の場「わらだやしき自然教室」をはじめる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
72
会話のようだ。まるで、人と人が会話をしているように見えてしまう。ふたごの木が寄り添うさまは、仲のいい恋人たちが睦言を交わしているかのようだ。季節が変わって、人が途絶えても、その場を動くことなく、そこにあり続けるふたごの木。かといって、それが悲しいとか、苦しいという訳ではない。端から見ると、不自由な状況も、彼らにとっては当たり前で、完璧な状態なのだ。それは空気のように、水のように気づいたらそこにあるというもの。ふたつでひとつのふたごの木。そうでありたいと憧れてしまう。そうであったらいいなと夢を見てしまう。2013/03/30
けんとまん1007
44
じっと風雨に耐えながら、周囲を見つめている樹。ふと、この本のように、果たしてそうなんだろうかと思う。樹々も生きている仲間であるということ。以前、テレビでやっていた番組を想い出す。植物たちも、意志疎通を図っていると考えることもできるという。人間が考える意志疎通とは、すくし違うのかもしれないが、そうなんだと思った。それが、植物の進化にもつながる。きっと、この本のように対話しているのかもしれない。人が樹々に語りかけることがあるように。2025/04/14
kinupon
31
写真と文章がすべてマッチしています。美しい本です。2014/08/10
anne@灯れ松明の火
23
「一冊の絵本」ご紹介。気になっていたが、地元になく、隣市予約。写真家・姉崎一馬さんの写真が美しい。寄り添って立つ二本の木。谷川さんが、会話劇の形で、ストーリーを生み出している。地元にあれば、相棒とのおはなしライブで読めるのになあ。2024/06/02
退院した雨巫女。
13
《書店》 美しい写真。木が本当に、つぶやいているみたい。2013/09/25