出版社内容情報
AI介護ロボットが、人に殺意を抱く日
都内で一人暮らしをしていた浅沼啓造が突然死した。心臓にペースメーカーを埋め込んでいた啓造の死因は虚血性心疾患と判断された。だが警視庁捜査一課の犬養は、介護のために導入され、リタと名付けられたロボットN365に注目する。果たして、リタに内蔵された害獣駆除用の超音波と電磁波が、啓造の死亡時間直前に発振されたことが明らかになった。これによりペースメーカーが停止、啓造を死に至らしめた可能性が浮上する。捜査本部は、事件はN365の異常行動によるものとし、製造元〈マッカーシー・エクスペリメント〉社を業務上過失致死傷で立件しようとした。だが上層部が打ち出したのは、リタ本体を殺人容疑で起訴するという前代未聞の方針だった。
この裁判を担当することになった東京地裁の判事補・高遠寺円は、事前に被告人との面談に臨む。最新AIを搭載したリタとの会話に妙な人間臭さを感じ、おののく円。AIは人格を持つのか、ならば人間との違いはどこにあるのか。これは〈ヒトであること〉を再定義する裁判になる――。
AIがヒトに〈殺意〉を抱く可能性はあるのか。AIとの共存共生が現実になるなかで、われわれの未来を問うリーガル・ミステリ。
【編集担当からのおすすめ情報】
「裁判所にAI裁判官が導入されたら」というifをもとに描かれ、即映像化も決定した『有罪、とAIは告げた』続編は、「AIが被告人になったら」というリーガルミステリ。最新AIを搭載したロボットは、人に危害を与えうるのか――対話型AIが、利用者の自殺願望を助長したとして提訴された事実もある今、それは決して絵空事ではないのかもしれません。
そんな裁判に挑む高遠寺円の前に立ちはだかるのは「ロボット三原則」。著者、中山七里さんは、「これはアシモフからの宿題である」と語ります。審理の行方にどうぞご注目ください。
【目次】
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