出版社内容情報
ご遺族、故人の納得できる葬儀を行います。
清水美空は、スカイツリー近くの葬儀場「坂東会館」に務めている。訳ありの葬儀ばかりを担当する葬祭ディレクターの漆原のもとで、亡くなった人と遺族の気持ちに寄り添えるよう日々研鑽を積む毎日だ。入社して早二年、葬儀場の繁茂期である冬が訪れようとするころ、人員不足の現場に、大手葬儀場での勤務経験がある木暮千波が入社する。社長の甥でもある木暮は、坂東会館の現状に不満を漏らし、改革を断行しようとする。
グリーフケア小説として大反響のロングセラー「ほどなく、お別れです」シリーズ最新作!
【編集担当からのおすすめ情報】
「私の看取った患者さんは、
『坂東会館』にお願いしたいです」
--夏川草介氏(医師・作家『神様のカルテ』推薦!
内容説明
自殺や不慮の事故など、“訳あり”の葬儀ばかりを請け負う葬祭ディレクター漆原のもとで、駆け出しの清水美空は少しずつ、確かに成長してゆく。
著者等紹介
長月天音[ナガツキアマネ]
1977年、新潟県生まれ。大正大学文学部日本語・日本文学科卒業。「ほどなく、お別れです」で第十九回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
179
それぞれの別れ。それぞれの喪失。それぞれの後悔。それぞれの思い‥「家族であっても、それぞれの人生を生きている。いつかそういう日がくると分かっていても、どうにもならないこともある。それでも、できることがあるなら、それなりの努力はしたい。」漆原の言葉が今までのいろんな事ー泣くほど笑った事、喉が切れるほど泣き叫んだ日、苦しさに背を向けた時、言葉にできない幸せな瞬間ー圧倒的に私の全身を包みしばし涙が止まらなかった。シリーズの3巻目はやっぱりお仕事小説でありながら染みて沁みて・・美空の『いつか』を楽しみにしたい。2022/09/13
モルク
120
シリーズ第3弾。葬祭ディレクター漆原の元で修行を積む美空。彼女の勤務する坂東会館に専門学校で葬儀を学び大手葬儀社に勤務していた小暮が中途入社する。しかも彼は社長の甥。彼の存在が波乱を起こす。現況にあった葬儀、遺族に添うといってもそこに明らかな売上至上主義が…漆原をはじめとする面々は彼にどう立ち向かうのか、漆原の仕事を見て小暮は変わるのか。遺族に寄り添い故人を想う4話の連作短編集。過剰な演出も、派手な見栄えも要らない。淡々として暖かい漆原の行うような葬儀でまわりに感謝しながら私は旅立ちたいと思った。2022/10/16
ゆみねこ
111
葬儀場「坂東会館」に勤める清水美空の成長を描くシリーズ第3弾。先輩の葬祭ディレクター・漆原のもとで経験を積み、司会を任されるようになったが、社長の甥・小暮の入社で会社にさざなみが。利益を優先する小暮の言動に悩まされる社員たち。そんな中でも漆原のスタイルは変わらない。今回描かれた4つのお別れはどれも悲しく切ないものだが、遺された遺族に寄り添う美空たちの心遣いは素敵で目頭が熱くなる。小暮が心に抱えていたものを知り、ストンと腑に落ちた。2022/09/02
Ikutan
86
スカイツリーを望む葬儀場、坂東会館を舞台にしたお仕事小説、第三弾。アルバイトから正社員になり、漆原の元で修行し葬祭ディレクターを目指す美空は、司会を任されるまでに成長。そして、休むこともままならない職場に新たなメンバーが入ってきた。専門学校を出て大手葬儀社で経験を積んだ小暮は、社長の甥で、入社早々、今までのやり方に口を出してくる。葬儀をめぐる人間ドラマを丁寧に描きつつ、今回は、葬儀社の在り方についても問う内容。変化する世の中に対応しつつ、遺族の心に寄り添い、納得できる形で故人を見送る。大変なお仕事だな。 2022/09/29
とよぽん
84
葬儀社のお話。3作目だが前作までと違って新たな登場人物が出てきたり、社内の人間模様やスカイツリー周辺の風景描写もあったりで楽しく読めたが・・・。今回はちょっと作りすぎの感があった。それより漆原と美空は?と思ってしまった。まだ続きが出ると信じたい。2022/10/14
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