出版社内容情報
名もなき天才音楽家の軌跡と奇跡
昭和初期、瀬名ニコデモは、ある裕福な実業家のもとに生まれ落ちた。眉目秀麗、神童の名を恣にし、父親の方針でパリへと留学をする。時は第二次開戦前夜、音楽の道に己の生涯を捧げようとするニコデモは、伝手を頼って、評判の音楽家の門を叩く。彼女から滋養のようにして吸収した音楽の知識は比肩するものなし、との域に達するものの、なぜか自らの手で作曲することができなかった。そこには、日本を立つ前の小旅行で遭遇した、ある奇怪な出来事が影響していた。
物語は、その後、騙り手を変えながら、現代まで続いていく。そして、にわかには信じがたいような、ある不思議なことが起こる。
内容説明
名もなき天才音楽家の軌跡と奇跡♪不思議なことが起こった。ちっぽけな不思議と、大きな不思議が。
著者等紹介
藤谷治[フジタニオサム]
1963年東京都生まれ。03年『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』でデビュー。主著に『世界でいちばん美しい』(織田作之助賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mike
52
理知的で音楽が好きな瀬名ニコデモという青年と花の不思議な歌を口ずさむ鈴木正太郎という少年。彼等と関わる人達の100年以上に渡る物語。始めはスイスイ読んでいったが、段々人物がごちゃつき出して来て、う〜ん何かよく分からんごとなった。一応読んだけど、最後はどうでも良くなった。私には合わなかったってことだ😔2022/07/15
かおり
22
最後まで読んでから「あれ?間違えていたかも···」と不安に。ちょっと色々渋滞してて正しく読めてないかも。それぞれの話は引き込まれるんだけど・・・つまりは、合わない😅2022/08/27
toshi
10
話があちこち跳んで、語り手もどんどん変わっていき、何の話なのかさっぱり分からなくなるが、最後にすべてが繋がるという出来過ぎな話。 もう少し整理された形で、同じ内容の物語に仕立ててくれたら何倍も面白かったと思う。2022/04/04
harukawani
9
あぁ……やはり藤谷治の物語は素晴らしいな……。聖書の登場人物と同じ名を持つ瀬名ニコデモは、旅の途中で少年・正太郎と出会う。少年が口ずさむ不思議で小さな歌をニコデモが歌うと、奇跡が起こって……。出会い離れる人々の流転の物語は、世界を股にかけ、語り手を次々に変えながら戦前から現代まで続いていく。戦史や音楽史を辿りながらも、語られるのは小さな人々の生活であるが、その生活が歴史という大きなうねりの中にあることが感じられる。→2022/05/03
ハッピー
4
【図書館】ダ・ヴィンチの新刊情報で気になった久しぶりの藤谷治さん.ニコデモ,鈴木正太郎の目線の第一部.正太郎の息子の哲次,哲次と結婚したレターナ,二人の娘の麗良.ニコデモの親族で目線を変えながら描く1冊.関係を結びつけるのに苦労しました.2022/10/05