絞め殺しの樹

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絞め殺しの樹

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  • サイズ 46判/ページ数 432p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093866262
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

あなたは、哀れでも可哀相でもないんですよ

北海道根室で生まれ、新潟で育ったミサエは、両親の顔を知らない。昭和十年、十歳で元屯田兵の吉岡家に引き取られる形で根室に舞い戻ったミサエは、ボロ雑巾のようにこき使われた。しかし、吉岡家出入りの薬売りに見込まれて、札幌の薬問屋で奉公することに。戦後、ミサエは保健婦となり、再び根室に暮らすようになる。幸せとは言えない結婚生活、そして長女の幼すぎる死。数々の苦難に遭いながら、ひっそりと生を全うしたミサエは幸せだったのか。養子に出された息子の雄介は、ミサエの人生の道のりを辿ろうとする。数々の文学賞に輝いた俊英が圧倒的筆力で贈る、北の女の一代記。

「なんで、死んだんですか。母は。癌とはこの間、聞きましたが、どこの癌だったんですか」
今まで疑問にも思わなかったことが、端的に口をついた。聞いてもどうしようもないことなのに、知りたいという欲が泡のように浮かんでしまった。
「乳癌だったの。発見が遅くて、切除しても間に合わなくてね。ミサエさん、ぎりぎりまで保健婦として仕事して、ぎりぎりまで、普段通りの生活を送りながらあれこれ片付けて、病院に入ってからはすぐ。あの人らしかった」(本文より)


【編集担当からのおすすめ情報】
絡み付いてね。栄養を奪いながら、芯にある木を締め付けていく。最後には締め付けて締め付けて、元の木を殺してしまう。その頃には、芯となる木がなくても蔓が自立するほどに太くなっているから、芯が枯れて朽ち果てて、中心に空洞ができるの。それが菩提樹。別名をシメゴロシノキ。

内容説明

最果ての地北海道根室で、“多難の道”を歩き続けた女。最注目作家、入魂の大河巨編!

著者等紹介

河〓秋子[カワサキアキコ]
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)、14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、15年同作でJRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞を受賞。20年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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starbro

429
第167回直木賞候補作ということで読みました。漸く5/5、コンプリートです。河崎 秋子、初読です。先入観なしで読んだので、タイトルからホラーかミステリだと思ったのですが、根室の地の母息子の凄まじい半生記、骨太の感動作でした。 昭和の小説で新しさがなかったので、直木賞受賞に至らなかったのでしょか❓ https://shosetsu-maru.com/interviews/authors/quilala_pickup/1602022/07/28

青乃108号

351
物語は戦前の北海道で始まる。産みの親も知らず農家に身売りされ牛馬の如くこき使われる不憫な少女、ミサエ。彼女のあまりに過酷な運命がこれでもかと冷徹に描かれ、それでも時に希望の光が見えたりするものだから先が気になってやめられない。何とか幸せになって欲しい。ふと気付く。本の終盤あたりにあるのだ、黒いページが。流れから考えてそこで本編は終わり、別な中編小説が始まるのだろうと思った。決して幸福な結末とは言えないが、ミサエの力強い決意で物語は終わる。感動。完璧な着地。しかし黒いページに書かれていたのは「第2部」要らん2024/07/24

まちゃ

275
読み応え満点。題名からサスペンスかと想像しましたが全く違ってました。第一部、アンハッピーな「おしん」。橋宮ミサエの過酷な境遇に読むことが辛くなりました。第二部、勝手なイメージで「青春の門 自立篇」。吉岡雄介が自分の出自(ルーツ)を知ったうえで根室に根を張る決意をする。後半は読む手が止まりませんでした。/【印象的なフレーズ(意訳)】すごく優しくて強い人ほど他の人によりかかられ、重荷を背負わされ、泣くことも歩みを止めることもできなくなる2022/09/20

美紀ちゃん

223
母ミサエの話と息子の雄介の話と2部構成。朝ドラっぽい話。ドラマ化しそう。300ページあたりからが面白くてそこから一気読み。雄介の祖父の葬儀で、実母や実姉の情報が多く入ってきて色々考えるあたりから面白い。菩提樹の別名がシメコロシノキ。雄介は冷静で判断力があり良い青年。あんな家で育ったのに。好感度高め。応援したくなる。表紙をよく見ると白い猫が。息子を見守りたい母の生まれ変わりと思った。小山田にハッキリと言い返すところとか、育てのお母さんに家を出ることを勧めるところは感動。いい息子。光さす終わり方でスッキリ。2022/07/10

いつでも母さん

217
はぁ、河﨑さんは又なんて物を読ませるのか。第一部の橋宮ミサエの一生を思うと、女として憤りや哀しさ、虚しさで溢れ、母としてこみ上げる怒りと涙で苦しい。ミサエに何度も「逃げなさい」と思いながら読み進めた。地縁、血縁、貧困、根室と言う空の低い感じに、閉鎖的な社会や世間の視線が痛い。第二部はミサエの手放した息子・雄介の話。現実を生きながら明らかになる実母・ミサエの事や、小学生の時にいじめで自死した姉の事が根底について回る。因縁の男に「俺は、あんたにちゃんと嫌われてやるから」と放った言葉が胸をすく。2021/12/27

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