出版社内容情報
漫才師が挑む笑いと涙と戦慄の起死回生物語
崖っぷちの中堅漫才コンビ、リンゴサーカスのボケ担当、加瀬凛太は、冬の寒空の下、絶望していた。年末の漫才日本一を決めるKOM(キングオブ漫才の略)敗者復活戦で敗れ、決勝進出の一縷の望みを絶たれてしまったのだ。
おまけに相方は、今年ダメなら実家の生業を継ぐと公言していたため、コンビも解散となった。
なんとかして漫才を続けたかった凛太の前に、先輩KOM王者からある情報が寄せられる。死神の異名を取る謎の構成作家ラリーがコーチに付けば、KOM優勝も可能だ。事実、自分もそうして王者になれた、というものだった。半信半疑でラリーの元を訪れた凛太は、来年決勝に残れなければ芸人を辞めろ、と告げられる。
内容説明
思いっきり笑った。そしたら、世界がちょっとだけ変わった。崖っぷちコンビが漫才コンテストに挑んだ涙と笑いと戦慄の物語。
著者等紹介
浜口倫太郎[ハマグチリンタロウ]
1979年奈良県生まれ。漫才作家、放送作家を経て、『アゲイン』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
111
KOM(キングオブ漫才)というコンテストで、優勝を目指す若者たちの話。自分は漫才にあまり興味はないが、個性的なキャラクターが生きていて、面白い物語になっていた。エンタメの世界で人を笑わせるために命をかけている人たちがたくさんいる。そしてネタを考える作家の話も盛り込まれていて、興味をそそられる。漫才は二人でやる事なので、二人のテンションが上がらないとうまく演じることはできない。ただひたすらにKOMを目指して努力する気持ちには爽やかさも感じられる。日頃、テレビで出ている芸人も同様の苦労をしているのだろう。2021/08/06
ゆみねこ
102
年末に行われるKOM (キングオブマンザイ)に懸ける二組の漫才師と、彼らを担当する謎の放送作家・ラリー。平行して語られる放送作家を目指す梓と文吾のカップル。お笑いの奥深さ、一途にてっぺんを目指す若者たちの姿は尊く爽やか!面白かったです♪お薦め。2021/08/14
みかん🍊
92
ワラグルとは笑いに狂った人の事、そんな彼らのキングオブマンザイ通称KOMに掛ける日々が描かれている、お笑いというとチャラいイメージだが、血の滲むような努力をしないと勝ち進む事は出来ない、KOMに優勝すると一晩で人生が変わると言われる程でその為には生半可な覚悟ではお笑いの頂点には立つことが出来ない、タイプのちがう二組の漫才師たちと放送作家を目指す女性の恋人の立場から描くお笑いの世界、今までテレビで適当に見ててすいませんでした、と言いたくなった。2022/11/17
ででんでん
86
ひゃあぁぁぁぁ〜 お笑いが好きなので、軽い気持ちで読んでみたが、ものすごくよかった。431ページが、あっという間に感じられた。先日テレビで漫才のベテランたちが漫才について語る番組があり、とてもおもしろかったのだが、ネタの構築と、ニンと、それらが掛け合わされることで爆発も起きること…など、タイトル通り笑いに狂う者たちについて、ものすごく取材をされたんだろうなあと感動した。物語全体にも、ひとつ大きな仕掛けがあり、思いもよらぬ涙も流すことになった。実在の芸人さんを彷彿とさせるような描写も楽しかった。おススメ!!2021/12/16
Ikutan
86
漫才師の頂点を決める大会KOM。全国的な知名度を誇り、年末の風物詩でもあるこの大会に、全てをかける漫才師たちの物語。興味のある世界なので、モデルはあのコンビかなと想像してワクワク。人を楽しませる手段は色々あるけど、私も凛太のように本業である漫才、ネタを大切にする芸人が好きだな。ストイックなまでの笑いへのこだわり。そんなワラグル(笑狂)だけが生き残れる厳しい世界。それはお笑い世界を支える放送作家にも求められるのだ。大会の行方はもちろん、二つの物語が一つに繋がる構成も面白かった。M1グランプリが益々楽しみだ。2021/09/22
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