出版社内容情報
『神様のカルテ』シリーズ外、初の長編!
「お前は、ただの物知りになりたいのか?」
夏木林太郎は、一介の高校生である。夏木書店を営む祖父と二人暮らしをしてきた。生活が一変したのは、祖父が突然亡くなってからだ。面識のなかった伯母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るため林太郎の力を借りたいのだという。
痛烈痛快! センス・オブ・ワンダーに満ちた夏川版『銀河鉄道の夜』!
【編集担当からのおすすめ情報】
300万部超のベストセラー『神様のカルテ』著者、
初のファンタジー長編!
夏川 草介[ナツカワ ソウスケ]
著・文・その他
内容説明
高校生の夏木林太郎は、祖父を突然亡くした。祖父が営んでいた古書店『夏木書店』をたたみ、叔母に引き取られることになった林太郎の前に、人間の言葉を話すトラネコが現れる。21世紀版『銀河鉄道の夜』!
著者等紹介
夏川草介[ナツカワソウスケ]
1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒。長野県の病院にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第十回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
804
夏川草介は、新作中心に読んでいる作家です。帯には21世紀の「銀河鉄道の夜」と書かれていましたが、私は夏川草介版「吾輩は猫である」として読みました。ライトな感覚のブックス・ラヴ・ファンタジー、傑作ではありませんが、書店員には評価されそうなので、次回の本屋大賞にはノミネートされるのではないでしょうか?大賞を取るほどのインパクトはありませんが・・・本作で2月は読了です。2017/02/28
青乃108号
593
つくづく、俺って本が好きなんだなあ、と思ったよ。これは本が好きな人全てに贈られたファンタジー。「本を救い出す」為に数々の本の迷宮に猫と共に挑む引きこもり少年の、本当に本が好きなんだなと思わせるひたむきな姿と、「本をすくい出す」度に少しずつ成長していく姿に思わず「頑張れ」と応援せずにはいられない。同時に気付く事がある。何故俺が本を好きなのか。……やっぱり俺は本が好きだ。もう少し読んでいたかったけれど、また新しい本へ進もう。どんどん読んで行こう。2024/08/18
うっちー
485
読書の深掘りができていないことを痛感しました。神様シリーズは続くのでしょうか2017/04/14
Nobu A
468
夏川草介著書8冊目。17年刊行。今まで医療関係を題材にしたものしか読んでこなかったから「こんなファンタジーも書くんだ!」と言うのが脊髄反射的感想。筆者が憧れる夏目漱石の名前から取ったペンネーム。「吾輩は猫である」ばりの動物視点からの行動・心理描写。現役医者ながら文学者宛らの文才から本好きは容易に想像出来る。筆者が描きたかった物語だったのだろうな。物語自体は可もなく不可もなくと言ったところだが、書籍の重要性が随所に染み渡る筆致。「本には力がある」が心に響く。そして時代を駆け抜けてきた本は読む価値がある。2024/08/29
bunmei
438
『神様のカルテ』以来の夏川草介。古本屋を舞台としたファンタジー。昔気質の祖父が細々と営んでいた夏木書店。最近の本屋では決して見ることのない名作と呼ばれる書籍。祖父の思いがこもった陳列がされていた。その祖父が急死し、1人残された自暴自棄になりかけていた林太郎。そこに現れたトラネコ。しかもトラネコは偉そうに林太郎に「本を解放して欲しい」と…。夢か現かわからない不思議な世界がそこには広がり、読む人の心を誘います。そんな不思議な世界を行きつ戻りつする中で、林太郎が大人への階段を一歩一歩登っていきます。2017/05/03