エアー2.0

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  • サイズ B6判/ページ数 379p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093864220
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

完璧な市場予測で資本主義をリセットせよ!

新国立競技場の工事現場で働く中谷は、そこで不思議な老人と出会う。老人は見るからに肉体労働には向いておらず、仕事をクビになるが、彼は大穴馬券を中谷に託していた。老人が去った直後、工事現場では爆破事件が起こり、翌日馬券は見事的中する。
多額の現金を手にした中谷の前に再び老人が姿をあらわし、彼が進める壮大な計画を手伝うよう依頼される。実は老人は感情をも計算して完璧な市場予測をはじき出す「エアー」というシステムを開発しており、高級ホテルのスイートルームでエアーを操り、瞬時に巨額の富を生み出すのだった。
老人から代理人に指名された中谷は、日本政府にエアーを提供する交渉の窓口として政治家や官僚たちと会うことになる。政府が持つ、より大きなデータをインプットすることでエアーは最強になり、市場予測は完璧なものに近づく。その力に気づいた財務省の若手官僚・福田はエアーの導入を推進するが、中谷が要求してきたのは、福島の帰還困難地域を経済自由区として、自分たちにその運営を任せよというものだった。
現代日本の難題をつまびらかにし、圧倒的なスケールで展開する、一気読み必至のネオサスペンス小説。


【編集担当からのおすすめ情報】
著者は長らく映画界に身を置き、数々の映画のプロデュースや自ら脚本を書き監督もつとめてきました。その映画づくりのなかで、ずっとあたためていた物語がこの作品です。当初、脚本として書かれ、それを自らが小説として執筆、映画的発想に支えられたスケールの大きな物語となっています。もともと文章力には確かなものがあり、文学に関しても造詣の深かった著者だけに、本作品は小説としてもスリリングで読みごたえのある作品となっています。最新の経済知識も導入し、未来の理想社会とはどんなものなのか、読む者をしてしばしそんな思索に駆らせるエンタテインメント小説です。

榎本 憲男[エノモト ノリオ]
著・文・その他

内容説明

「あの人は本気で資本主義をもう一度まともにやりなおそうとしているのだ」新国立競技場の工事現場で知り合った謎の老人と元原発作業員の青年。老人の開発した、感情を数値化する完璧な市場予測システム「エアー」は日本政府に無償供与される。老人の代理人となった青年は見返りとして福島の帰還困難区域を経済自由区にすることを政府に要求する。「カンロ」という電子マネーを流通させ、うち棄てられた土地で始まった未来の理想社会への試みの結末は…。

著者等紹介

榎本憲男[エノモトノリオ]
1959年、和歌山県生まれ。映画会社でプロデューサーをつとめながら、映画脚本も執筆。2010年にフリーとなる。11年、初監督した映画「見えないほどの遠くの空を」が公開、同作品の原作小説「見えないほどの遠くの空を」(小学館文庫)も刊行する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りんご

43
スーパーエンタメで、経済のこともなんかわかった気になります。すごい面白くて一気読み。経済は借金で回っている。借金によって経済規模が拡大していく。ああ!なるほど!最近は更にみんな投資せよと。電子マネーを使えよと。あと「本日の株式市場は不安感で/期待感により」この「感じ」で経済が動いちゃうのも困っちゃうわねえ、って思ってました。それをコントロールするシステム、「エアー」。こいつでお金がガッポガッポ(ここはファンタジーだがいいのだ)。浮いたお金でうふふのふ。うふふ部分が良い。泡銭やで思ったように使ったろ。2024/12/29

さーくる・けー

27
完璧な市場予測システムを活用して、福島の帰還困難区域で理想社会を構築する近未来小説です。「真行寺」シリーズ以外は初読みでしたが、この作品も大胆でスケールの大きい発想で楽しませてもらいました。自分のとって榎本憲男は今年一番の素晴らしい収穫です。近い将来、ブレイクしてくれることを心待ちにしております!!!2019/10/28

キタ

21
たまたま立ち寄った小さな書店で、POPでその書店からの熱いメッセージを感じたので気になって読んでみた。 出版日が2015年の10年前かぁ。 今こそ読むと面白いかも。一気読みしちゃったよ。 村上龍の愛と幻想のファシズムっぽいとこも感じるけど、もっと今を感じる。資本主義、紙幣経済の限界と新しい価値観の可能性が感じられて現代をすごく反映してる感じ。 早速、続編のエアー3.0も早速読んでみよう。2024/12/07

なっく

18
これは久々の「当たり」、面白かった。IT業界に身を置く立場からは突っ込みどころ満載だったけど、そんな小さいこと気にせずに楽しめるほどのスケールとスピードで話は進み、最後はなんとなく感動する。娯楽小説のようで、資本主義や米国依存、監視とプライバシー、エネルギー政策などへの皮肉もチクリと効いていてこれまた心地よい。映画化、続編、楽しみです。2016/02/05

おのちん

15
★★★★★:自分の中では最高に面白かった。一気読みの一冊。エアーと呼ばれる電子知能(情報処理?)が生み出す莫大な価値を元に、不思議なおっさんと主人公が福島復興と併せ資本主義の進化を図っていく。それを良しとしない既存巨大勢力。希望、理想はやっぱり良いなぁ、そしてそれを実現するための力(金力、体力、智力、努力など)も大事だなぁと思った。2021/10/29

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