内容説明
昭和二十年八月、日本人四十万人が暮らす南樺太で戦われた日ソ戦の悲劇。真岡上陸戦と電話交換手の自決、豊原空襲、疎開船の撃沈…民間人が巻き込まれた惨劇の大半が、八月十五日以後に起きているのである。終戦の日をはさんで十七日間にわたった北方の本土防衛戦で何が起きたのか、克明に描く書き下ろし作品。
目次
第1章 日ソ国境地域での戦闘―歩兵第百二十五聯隊・警察官の奮戦
第2章 恵須取方面の戦闘
第3章 真岡方面の戦闘
第4章 日ソ停戦協定成立と豊原空襲
第5章 樺太から北海道へ―三船殉難事件
第6章 ソ連軍政下の樺太を生き抜いた一人の日本人
著者等紹介
藤村建雄[フジムラタケオ]
昭和43年、東京出身。平成5年3月、武蔵大学経済学部経営学科卒業。平成21年、日本大学大学院総合社会情報研究科国際情報専攻修了、樺太における対ソ戦を専門とする。平成29年4月、北方近代史研究所設立。所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もちもち
4
私のロシアに対するイメージは信頼のおけない国、という感じなのだがそれは正しいと確信した。 北海道まで逃げる一般人の乗った船をもう戦争は終わっているのに雷撃する、駅に殺到した民間人(主に女性と子供)に対して機銃掃射をするなどあまりにも惨すぎる。 そして逃げ惑う一般人ができるだけ多く逃げられるように時間稼ぎの戦いをしてくれた英霊に感謝。2021/06/12
ゆー
1
住んでいる町からの駅までの決死の避難、たどり着いた街での空襲、ようやく北海道へ向かう中での船への襲撃…どれも本当に読んでいてつらい。あとがきにもあったがこれだけのことがあったにも関わらずほとんど知られていないのもまたつらい。2024/07/09
スターリーナイト
1
2019-32 涙無しに読めない。2019/04/21