彫千代―Emperor of the Tattoo

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  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863827
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「刺青のエンペラー」とよばれた男の一生!

1913年、ニューヨーク。ハドソン川で若い女性の死体が発見され、ニューヨーク市警は女の肩にヘビの絵柄とともに彫られていた「H・C」のイニシャルをもつ刺青家の捜索を開始する――
時は遡って1859年。駿河の下級武士の家に生まれた宮崎匡(のちの彫千代)は運命的に出会った刺青に心を奪われ、放浪の末、彫り師を志す。欧米人には「刺青のエンペラー」と称賛され世界にその名を轟かすまでになるが、遊女・お蓮との初恋は悲しく砕け散った。古風な実兄との確執、師匠からのいじめ、右目の失明……数々の苦難を乗り越えて、新しい時代の”美”を追求した彫千代を待ち受けていたのは、さらなる悲劇だった。
自由奔放でわがまま、しかし繊細で常に”小さき命”への慈しみを忘れなかった男、彫千代。かつてないほど人間臭い英雄が、守るべきもののために下した衝撃の決断とは――!?
いま最注目の実力派作家が実在の伝説的彫り師の生き様を描いた、感動の歴史エンタテインメント!!

【編集担当からのおすすめ情報】
『忘れないと誓ったぼくがいた』(2015年映画公開)、ロングセラー『あの日の僕らにさよなら』などで注目を集める著者の、初の歴史小説です。

内容説明

新しい時代の風が吹く、明治の横浜―「刺青のエンペラー」とよばれた男がいた。世界に名を轟かせた伝説の彫り師の愛と苦悩、今、最注目の作家が放つ感動の歴史エンタテインメント!!

著者等紹介

平山瑞穂[ヒラヤマミズホ]
1968年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年、『ラス・マンチャス通信』で第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめか*

30
彫り師・彫千代の一生を描く物語。江戸から明治、彫千代と清吉の視点が交互に描かれ、時代が行ったり来たり。分厚くて慣れない時代背景だけど面白かった!彫千代のことを兄ィと慕う清吉が好き。後半、彫千代が毎日酒を飲んでだらしなくなっていった時、思ったことをぶちまける場面がかっこよかった。腕があって英語もペラペラ、海外からも大人気の彫千代が私もかっこいいと思ってたから、落ちこぼれていく姿に残念だなと思った。でも、名前の通りに生涯を生き抜いたんだなということが最後にわかり、悲惨な運命ではあったけど読後感は悪くなかった。2021/04/20

瀧ながれ

29
武家に生まれたということが明治維新で意味を失い、好きな絵を追い求めるうちに刺青師・彫千代になった男。弟子として働くなかで、かつて学んだ英語が外国人客との交流に役立ち、独立のきっかけになる。鮮やかでカッコいい千代兄ぃ。でも後半になると、彼が孤独と劣等感のかたまりであることがわかるのだ。前半の千代兄ぃが輝かしく、彼を取り巻くみんなが幸福でいたぶん、後半の荒れる彼が辛く腹立たしい。けれど、結末はまた一回ひねって爽快さが残る。女も男もだれもが愛した千代兄ぃだけど、彼の魂にとっては日本は狭すぎたのかなあ。2016/03/13

ぽわん

10
彫千代さんは下級武士の二男として生まれましたが、明治の代になり。学ぶ機会のあった英語を生かし、刺青の技も確かだったこともあり、日本よりも海外で有名になりました。 実在した人物を主人公にしたせいで作者が遠慮したのか?スケールが小さかったような深みがなかったような気も。波乱万丈の人生がかすんで見えました。2014/12/22

5

7
様々な形の愛(情愛・親愛・敬愛・熱愛)が彼を包んでいたのに、何故か彫千代は孤独になってしまう。彼がどのように苦しんだか、彼自身の言葉で語られることはなかったが、それでも彫り物の神は彼を放さなかったという結末だけが最後にそっと語られている。奇妙な形の歴史小説。2015/04/30

kyoko

7
おもしろかった。最後の方の青池マツの回想がいい。2015/01/17

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