はぐれ雀

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093863797
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

苦しみを超え生きる女性二人の祈りの物語

江戸時代の初期、徳川家康によるキリスト教禁教令から島原の乱とそれに続く激動の時代を、「隠れキリシタン」という宿命に翻弄されながらも生きぬいていった、二人の女性を描いた書き下ろし長編です。
朝鮮人のナマリ千代は、秀吉の慶長の役により両親と弟を殺され日本に連れてこられた。千代は子どもを二人産んだが、キリシタン弾圧により娘夫婦や孫は殺され、島原の乱により夫も亡くなった。
小西行長の係累に当たる須美は、島原の乱で育ての親から雄太に引き取られ、生き延びた。雄太の息子である嘉助と婚姻するはずだったが、嘉助が弟の安兵衛を殺害してしまい、出奔。経済的に困窮した雄太に大坂の新町遊郭に売られてしまう。
隠れキリシタンである二人。千代は小西行長の所にいたときに、「おたあジュリア」から、人にはマリア様とのお約束が一つずつあると言われてきた。千代はそれが、須美を見守ることだと言われていた。そして、命じられるままに、大坂へ行き千代は須美に仕えた。
そこで幕府に命を狙われながらも、須美は周囲の人物に支えられ、まだ赤ん坊の息子と朝鮮半島へ渡ろうとするのだった。
果たして、その思いは通じるのか?


【編集担当からのおすすめ情報】
生きることの辛さと悲しさ、それを乗り越えて生き抜いていく女性たちのたくましさ。読み終わった後、静かな感動が広がる本格時代小説です。

内容説明

ナマリ千代は、朝鮮でそして日本で、両親や兄弟、夫や子ども・孫を殺され、一人長崎にいた。島原の乱後、農民の子として育てられたジュリア須美は、困窮のため大坂の新町遊郭に売られ、太夫(小太夫)となる。人にはマリア様との果たすべき「御約束」があると信じていた二人。千代の「御約束」は須美に仕えることだった。そして、須美の「御約束」となった壮大な企てを実行に移そうとしていた…。

著者等紹介

中嶋隆[ナカジマタカシ]
1952年、長野県に生まれる。早稲田大学教授。専門は日本近世文学。NHK教育テレビの「古典への招待」講師を務めた。専門書・教養書を多く刊行する。2007年、『廓の与右衛門控え帳』で第8回小学館文庫小説賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カピバラ

23
須美や隠れキリシタンとしての苦悩は読んでいて辛かった。千代の献身的な姿には心打たれた。でも読んでよかった!というわけでもない。2015/02/13

007

19
★★★★☆ 島原の乱を生き延びた二人の女性。一人は朝鮮出兵の後に連れてこられた朝鮮人。一人は小西行長の血を引く娘。殺伐とした話の中、見守り支えてきた人たちの存在が救いだった。特に甲賀者のからみ方に感動した。残念なのは、文章が淡白すぎて出かかった涙が何度も引っ込んだ。2014/08/02

aloha0307

8
秀吉の慶長の役から島原の乱 差別用語頻繁に紹介される、朝鮮人千代と小西行長係累の須美...社会の最下層、隠れキリシタンとしての絆 を実感。 生きることの辛さ・哀しさ、それを乗り越え生き抜く女性のたくましさに静かに感動。 But 日経夕刊書評には何年かに一度の傑作...とあったが、そこまでではないんじゃ?? この評者は5点満点を連発しすぎるよ...だけど、いつも釣られて読んでしまう...2014/10/11

mushoku2006

6
書評を見た時は面白そうに思ったけど、 全然訳がわからなかった。変な人たちとしか思えない。 私は宗教とか信仰をテーマにされたものが苦手と言うか理解できない人間だったことを忘れていました。 見事なほどの選択ミス。2014/08/03

ともパパ

3
2人の隠れキリシタンの話らしいが、島原の乱の生き残りの女性が主人公ではないのかと思われる部分が多すぎ、しかも、文意をつかみづらい文章なので、何が言いたいのかわからなかった。ノンフィクションとは思えないが、フィクションとしては深みがなく、苦労して読むまでもないかなと…。2014/08/31

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